The Montessori method – お仕事の紹介 Vol.2 ~感覚教育 Sensorial Area~

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The Montessori method – お仕事の紹介 Vol.2 ~感覚教育 Sensorial Area~

The Montessori method – お仕事の紹介 Vol.2 ~感覚教育 Sensorial Area~です。

 

The Montessori method -お仕事の紹介 Vol.1 では、

~日常生活 Practical Life~のお仕事をご紹介致しました。

 

Vol.2では、~感覚教育 Sensorial Area~ をご紹介致します。

 

まず、「感覚教育の大切さ、必要性」について、ご説明致します。

 人間は生まれてすぐ、本能的に生きようとする力により、感覚を通して活動を始めます。

生後から6歳くらいまでの間は、一生のうちで1番、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)が鋭敏です。

いわゆる、感覚の敏感期です。(*敏感期について~)

五感は、使えば使うほど洗練されていきます。

生まれてすぐ赤ちゃんは、感覚を通して、自分のいる環境を知ろうとします。

これから生きていく自分の周りにあるもの全てを、五感を使って自分の中に吸収していくのです。

感覚は、子どもと外界を結びつけ、子どもが環境に適応していくことを助けます。

それは、生きる能力を伸ばすことで、これから成長していく自分の命を守ることに結びついていきます。

自分の周りの環境を理解し、そこに順応して生きていくために、見る、聞く、触る、匂いを嗅ぐ、味をみる、などの感覚器官は、さまざまな理解を助けようとして発達していくのです。

そして、感覚の敏感期に、感覚器官を十分に使い、五感を研ぎ澄ませることによって、感性が豊かになり、集中力、理解力などの知的な発達を助け、困難な問題を解決しようとする力が身につきます。

もう一つ大切なことは、「比べる」ということです。

同じようであっても、よく比べてみると違っていることがたくさんあります。

同じ色でも、薄い色や濃い色があったり、光のあたり方によっても変わってきたり、赤み、青み、黄みがかっていたりします。

そのような違いは、比べることで良くわかります。

比べた事実を自分の中に取り込むことにより、漠然と理解していた部分や理解できていなかった部分を補強することが出来ます。

子どもは、活動の中で、物事を理解するために注意深く見たり、何度も繰り返し触ったりしながら、感覚器官を鋭敏にしていきます。

そして、知性の発達も助けられ、言葉で整理付けができるようになり、物事を分類し、整理、順序づけて識別することができるようになります。

この感覚の敏感期に、感覚を通して、知的な活動体験をたくさんすることが大切です。

それにより、”もっと知りたい”という強い欲求が芽生え、感覚を使った活動を好んで行うようになります。

子どもたちは、部屋の中でも戸外でもさまざまな感覚体験をしています。

外では、草花や野菜の色と香り、海、川、湖の水の冷たさ、太陽の暖かさなど、自然の中でいろいろなことを感じています。

幼児期は、感覚器官を使うことが楽しくて仕方がなく、使ってどんどん鋭敏にしていく一生に一度のチャンスです。

感覚の敏感期をよく理解することで、子どもの感覚体験がより豊かになり、良い発達を促してあげることができるでしょう。

感覚体験をしている時は、何も邪魔されることなく、集中して活動ができるように、配慮することが大切です。

 

感覚の活動、教具はたくさんあります。

その中で最近よく取り組んでいるお仕事をご紹介致します。

 

触覚板です。

目の粗いざらざらした触感の板の部分からすべすべとした滑らかな板の部分とあり、それぞれ微妙に触感が違います。

その触った感覚を楽しんでいます。

触覚の洗練、及び、軽く触れることで微妙な違いを感じるので、筋肉の調整も訓練されます。

間接的には、これから鉛筆を持って書く為の指、手首の運動、調整にも繋がっています。

すべすべ、ざらざらなどの言葉も伝えていきます。

 

 

はめこみ円柱です。

視覚による寸法の識別を目的とする教具です。

上記は、それぞれのブロックを十分に行い、慣れてきた時に、友達と一緒に楽しむゲームのひとつです。

最大4人で行えますが、上記は、3人で行っているので、余った1つのブロックは、ふたりでシェアしています。

ゲームの場合は、順番で、ひとりずつ円柱を選んで入れていきます。

1番最初に自分のブロックの円柱が全部収まり仕上がった人が勝ち。

チャンスは1回ずつで、間違えたら、次の人に回っていきます。

視覚だけで認識して、間違えずに一発で円柱をブロックに収めるのは、大人でも慣れていないとけっこう難しいです。

まだ、はめ込み円柱を始めたばかりの場合は、1つのブロックごとに行います。

1のブロックは、二次元の違いの円柱で、高さは同じですが、直径(太さ)に漸次性があります。

2のブロックは、三次元の違いの円柱で、高さも直径も漸増します。

3のブロックは、2と同様に三次元の違いの円柱ですが、直径は漸増し、高さは漸減します。

4のブロックは、一次元の違いの円柱で、直径はすべて同じですが、高さが漸増します。

このはめ込み円柱には、たくさんの目的があり、ヴァリエーションもたくさんあります。

円柱の上についているつまみを、第二の脳と言われる親指、人差し指、中指の3本指をふんだんに使って、動かします。これは、書く為の準備にもなります。

鋭い観察力、注意力が養われます。

数学的頭脳の準備、論理的に物事を考える訓練になります。

また、言語面でも、「太い・細い」「高い・低い」「大きい・小さい」

それぞれの最上級(1番~)、比較級(…より~)等も伝えるので、

意味や使い方が明確になります。

 

 

色付き円柱です。

視覚(寸法)の教具です。

はめ込み円柱の円柱がブロックから外れ、つまみが取れ、色がつき、

そして、それらがそれぞれの色の箱に入っているような感じです。

黄色、赤、緑、青のセットがあります。

赤は、2次元の違いで高さが同じで、太さ(直径)の漸次性がある円柱の箱です。

黄色と緑は、3次元の違いで、直径と高さの漸次性です。

黄色は、直径と高さが比例されていますが、緑は反比例です。

円柱を積んで見たり、並べてみたりしながら、その中で自分で次元の相違とその関係性を発見していきます。

(*写真では、並べ方の例としての台紙の上に円柱を置いていますが、この台紙は特に必要ではありません。)

四方八方から円柱を眺めることにより、いろいろな発見が出来ます。

綺麗に並んだあと、「できた~!」と言って、円柱の周りを歩きながら、様々な角度から見るのを楽しんでいました。

 

青のセットは、1次元の違いで、高さだけに漸次性があります。

 

 

 

赤い棒です。

視覚による寸法(長さ)の識別の教具です。

長さの違いの筋肉記憶です。

また、数学への準備、数学的頭脳の育成を助けます。

長さの違いを棒を触って確かめます。

どちらが長いかの比べ方は、2つの棒の左端を揃え、揃えたほうから手のひらで棒を触って右方向に滑らせると、途中で片方の棒の長さが終わりますが、もう片方の棒はまだ長さが終わっていません。

どちらが長いか、感覚的に記憶されます。

比較の仕方の基本も学びます。

ここで明確にする言葉の意味は、長い、短い、…よりも~(比較)、1番~(最上級)です。

 

 

こちらは、バリエーションです。

長さの違いを工夫するといろいろな面白い形が出来たり、それで楽しめたりします。

環境の中にもたくさん漸次性の機能を使った道具や建物、デザインがたくさんありますね。

そのようなものに敏感に気づく力を養うきっかけにもなるでしょう。

 

 

   

構成三角形 長方形の箱です。

視覚(形)の教具です。

いろいろな三角形を合わせて、四角形が出来ることを知ります。

幾何への準備です。

直線で囲まれた平面図形は全て三角形の組み合わせで出来ていることを知り、

等価の概念や幾何図形の面積を見出す準備に繋がります。

 

 

構成三角形 三角形の箱と六角形の箱です。

六角形の箱には、大きい箱と小さい箱があります。

黒線の部分を合わせて三角形を作ります。

すると同じ形が出来上がることを発見します。

組み合わせると同じ面積になることを視覚的に記憶されます。

自分で考え、いろいろな組み合わせを楽しんでいます。

 

 

三角形を組み合わせてできた六角形の中に

同じく三角形を組み合わせて作った平行四辺形がいくつ入っているかな?

どこに入っているかな?

自分で発見できた時は最高な満足感を得られ、嬉しいですね。

 

 

  

二項式の立方と三項式の立方の箱です。

二項式は、赤と青の立方体と直方体の2段ですが、

三項式はこれに黒の直方体と黄色の立方体と直方体が加わり3段になります。

蓋の図面を見ながら、自分で考えて立方を積んでいきます。

その時に、同じ形の平面同士、同じ色が合わさるように、高さ、面積を合わせて積んでいきます。

慣れてきたら、図面を見ずに、箱に納めて行ったり、箱の外側に作ってみたりします。

また、断面図がどこを切っても同じ構成になることを知ります。

三項式の3乗、立方根への準備で、小学校のレベルでの (a+b+c)3の公式の理解に繋がります。

 

 

雑音筒です。

聴覚の洗練に関する教育は特に幼児前期の子どもにとって大切です。

環境の中には、楽音と雑音があります。

楽音は調和の良い音の振動で、人間の聴覚には快いものとして伝わり、

雑音は反対にあまり快いとは言えない印象を与えます。

子どもにとって意図的に聴くならば、雑音にしろ、楽音にしろ、大きな喜びとなります

モンテッソーリ教育では、楽音は音感ベル(高い、低い)で、

雑音は雑音筒(強い、弱い)で紹介されています。

赤い箱と青い箱には同じ音の筒が入っています。

両方を聴き比べ、同じ音を聞き分けペアリングをしていったり、

強弱の違いを順番に並べて行ったりします。

 

 

色板Ⅲの箱です。

色板はⅠの箱とⅡの箱があります。

ⅠとⅡは、同じ色が2枚ずつで、ペアリングが基本的な活動ですが、

このⅢの箱は、全て違う色です。

赤、青、黄、橙、緑、紫、茶、灰、桃 の9色がそれぞれ7段階の濃淡になっています。

色彩感覚の発達を助けます。

色についての認識を深め、適応できるような芸術の世界の鍵を与える教具です。

 

中央に地球儀を置いているのは、なかなか面白いアイデアですね。

地球はたくさんの色に包まれて出来ているということでしょうか?

だから美しいのですね。

この美しい地球が永遠に続くことを祈ります。

 

こちらは、色水を作っています。

赤、青、黄色の基本の色、3原色を使って、自分で色の量を調節し、混ぜ合わせたら違う色が出来上がるという発見を楽しんでいます。

スポイトの使い方も小さい子にとっては指の力の調節が難しい活動です。

 

 

こちらは、葉の箪笥のカードを自分で作りました。

実際の自然の中では、本物の葉は大きさや形がぴったりと当てはまる葉っぱは少ないですが、

植物にはいろいろな種類、形状の葉があるという探求心を育てる助けになります。

 

こちらは、実際の葉っぱを取ってきて、違いを確かめています。

かぼちゃの葉っぱを触って、「チクチクするのはなんだろう?」と思ったことがきっかけで、

いろいろな葉っぱ集めが始まりました。

「いたい!いたい!ほら、これ触ってごらん!ちくちくするよ!」

「でもこっちの葉っぱは痛くないよ。なんでだろう?ちくちくはなにかな?」

何が違うのかな?

ルーペで両方を見比べてみました。

すると、

「あ~!こっちは毛が生えてるよ!!みてごらん!」

と言って、お友達同士で教え合い、見て確かめ合っていました。

発見を共有しています。

次から次にいろいろな葉っぱをテラスから取ってきて、研究していました。

この探求心をどんどん育てていきたいと思います。

 

感覚教具の活動は、まだまだたくさんあります。

これから少しずついろいろな活動をご紹介していきたいと思います。

 

次回 ” The Montessori method – お仕事の紹介 Vol.3 ~言語教育 Language Area~” をお楽しみに♡

 

前回の ”The Montessori method – お仕事の紹介 Vol.1 ~日常生活 Practical Life~”

こちら↑もぜひご覧ください☆彡

 

★モンテッソーリ活動(お仕事)の紹介 

↑こちらは、2020年 7月23日更新のお仕事の紹介です。

こちらも合わせてぜひご覧下さい。

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