グローバルスクールでは先日世界のカブトムシ・クワガタムシについて親しむプレゼンテーションが行われました。
まずは名前についてです。英語のBeetlesと言えばカナブン・カブトムシ・クワガタムシを含む甲虫を指す総称となります。(ほとんどの英語圏の人は音楽バンドのことを連想するようです。)
カブトムシは英語でRhinoceros Beetle といい、動物のサイを指す言葉が使われています。クワガタムシはStag Beetle で、牡鹿を示す言葉です。英語では動物になぞらえた名称になっていて特徴がイメージしやすい印象です。
続いてまずは日本固有の種類です。
寿命についても紹介しました。「寿命というのは、どれくらいの間生きられるかということです。」
まず、そもそも生き物によってそれが大きく違うということも子どもたちとっては新鮮なことかも知れません。
短い種類で1ヶ月(ミヤマクワガタ)長い種類で4年(オオクワガタ)です。
世界中には目を見張るようなユニークで魅力的な種類がたくさんいます。まずはニジイロクワガタです。世界で一番美しいクワガタと称されます。オーストラリアのクイーンズランド原産です。Rainbow stag beetleという英名です。その名の通り光り輝くタマムシのような姿と立派なツノのニジイロのクワガタです。見る角度によって七色に変化するような美しい「構造色」です。
現在はノーマル、レッド、グリーン、紫紺(しこん)、ゴールドなどの色が愛好家の間で繁殖されています。
当日は実際に実物を観察する機会がありました。
ゴールドと紫のオスをケース越しに見たり、キッチンペーパの上に乗せて観察しました。
体長も小さく、性格はおとなしく、はさむ力も強くはないので昆虫が苦手な人でも親しみやすい種類です。寿命も長く成虫になってからも1年以上元気に過ごしてくれるので安心です。
続いて世界最大のクワガタムシのギラファノコギリクワガタです。
英名はGiraffe stag beetle ギラファは英語のGiraffe キリンを指す言葉なのですね。確かにキリンのように体長が長いです。
そして外国産のカブトムシと言えば、ヘラクレスオオカブトですね。英語では「ハーキュリーズビートル」と呼びます。
体長はなんと最大181mm(2024年現在)つまり年中さんの平均的な上靴(18cm)のサイズとほぼ同じです。子どもたちにとっては自分の靴と同じくらい大きさのカブトムシがいるというのは驚きです。
そこまでのサイズではないですが、本日の目玉151mmの実物のヘラクラスオオカブトの観察です!
原産は南アメリカのベネズエラ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ボリビアなど。モンテッソーリ活動などで親しんだ国の名前が並んで、クイズなどでも盛り上がりました。
ヘラクレスオオカブトは大きなツノや黄色っぽい上翅(じょうし)が特徴です。体を支える大きな爪や太い足なども特徴的です。体が潤っている時は上翅が黒くなり、お腹が空いていたり、乾燥している時は明るいオレンジになったり色が変わるという特徴についても学びました。
大好物のバナナをあげて、食べる様子も観察しました。
大きなカブトムシにちょっとびっくりしながらも、ゆったりと動くカブトムシは魅力たっぷり。男の子も女の子も興味津々の様子です。ゆったりと動くところが実はカブトムシ・クワガタムシの人気の秘訣とも言われています。素早く動く虫は、何かゾッとさせるものを感じてしまいますが、カブトムシ・クワガタムシの悠然とした動き方は、優雅さをも覚える方が比較的多いようです。(しかし海外の子どもたちには意外に人気がないようです。カブトムシ・クワガタムシの飼育を趣味とするのはもっぱら私たち日本人が中心だそうです。)
飼育方法についても紹介しました。
特に大切なのは、温度管理です。外国産の昆虫は特に、日本の気候には合わないため、適温の環境を人の手で管理しなければ、こうした昆虫は生きていくことはできません。20℃〜25℃の間で保てば大丈夫です。
日本のカブトムシについても夏の生き物という印象から、暑さに強いと思われがちですが、これが誤解で、30℃になると高確率で死んでしまいます。元々、高原の森のような涼しいところで生きている生き物なので、涼しい環境がとても重要です。
また、飼育ケースは湿度が保てる通気性が低いもので、コバエ防止のヒノキの床材を使用することが快適な飼育に欠かせません。
幼虫の育て方も紹介しています。中でも子どもたちが面白がっていたのは、幼虫の体重測定です。健康状態や性別の把握、土の環境の良し悪しを確認するのに有用ですが、はたから見ると結構シュールな光景です。
またクワガタの幼虫の多くがキノコの菌糸が入ったびん、菌糸瓶で育てられることも印象的だったようです。
上記の昆虫や飼育用品が何でも揃う専門店の紹介です。その名も「むし社」
遠方から新幹線を使ってまで来店する人も多いそうです。週末の店内は小学生の親子連れで賑わいます。
このような楽しいカブクワ飼育ですが、気軽な気持ちで始めてしまい育てられなくなって、戸外に逃してしまうのは絶対にやめましょう。外国産のカブトムシ・クワガタムシはもちろん、国産のカブトムシ・クワガタムシも本来の環境以外の場所に放つことは、取り返しのつかない環境破壊となってしまいます。(法律で禁止されています。)
毎年、夏休みに合わせて昆虫のイベントも東京スカイツリーや博物館などで開催されます。
グローバルスクールの皆さんはこの日、先生と一緒にカブトムシ・クワガタムシの世界を楽しんでくれました。