皆様は、チャイルドシートの使用基準についてご存知でしょうか。日ごろ自動車にお子様を乗せられる機会がある方はもちろんご存知のことと思いますが、そのような機会がない方はご存じではないかもしれません。
まず道路交通法で、6歳未満の子どもを乗せる場合は必ず使用しなければならないと定められています(違反した場合は交通違反点数が加点されます)。また6歳以上の子どもについても、交通安全を推進する関係団体や企業が独自に推奨基準を示しています。
その推奨基準について、日本自動車連盟(JAF)は9月12日に、これまでの「140cm未満」から「150cm未満」に引き上げることを発表しました。これは、8月18日に福岡市で起きた、路線バスと軽乗用車が正面衝突し7歳と5歳の姉妹が亡くなった事故がきっかけと言われています。事故の際、子どもたちはシートベルトを装着していましたが、チャイルドシートを使用していなかったそうです。警察は死因について、事故の衝撃によるシートベルトの締めつけが要因と考えられる、としました。命を守る助けとなるシートベルトも、使い方を誤ると別の危険を生じてしまいます。肩にかかるベルトは、首にかかると首が絞まる恐れがあり、腰に巻くベルトは、腹部を通っていると内臓を破損する危険があります。シートベルトは大人の体格に合わせて作られているため、子どもが正しい姿勢で装着するためにはチャイルドシートが必要です。
また、5月21日に練馬区で起きた事故では、2歳の女児がパワーウィンドウに首を挟まれて亡くなりました。こちらは逆に、チャイルドシートは使用していたが、シートベルトを装着していなかったそうです。
これらの痛ましい事故からは、単にシートベルトを装着すれば良いわけでも、チャイルドシートを使用すれば良いわけでもないことがわかります。大切なのは、子どもの今を考え、子どもの成長に合わせた対応をすることです。そのための補助となるツールは生活の様々な局面に存在しますが、チャイルドシートのようにそれらも子どもに合わせて使用しなければ効果を発揮しません。少し論理が飛躍しているかもしれませんが、子どもをよく観察して子どもに合った環境を整える、というモンテッソーリ教育の理念はここにも妥当すると感じさせられました。至極当たり前のことですが、生活の全体を通して、一人ひとりの子どもに合わせて接することの大切さを改めて肝に銘じてまいります。自動車の運転については、時間と心に余裕を持ち、何よりも安全運転ですね。
株式会社フューチャーフロンティアーズ
取締役CKO 松尾隆浩