2023年6月
この時期の公園ではアジサイやラベンダーなどの花が咲き、様々な虫が活動しています。自然界が生み出した植物や虫には魅力がいっぱい。虫の色ツヤに心惹かれたり、花の香りを嗅いでみたり、その構造の複雑さにワクワクしたり。子どもたちは自然物から様々な刺激を受けています。これは赤ちゃんにも同じことが言えます。木漏れ日の心地よさや、頬にあたる柔らかい風など、大人にとっては当たり前な自然事象でも、小さな子どもにとっては新鮮で、そこから純粋無垢な感動を受けているはずです。
「ダンゴムシの足は14本あるんだよ。産まれたばかりのころは12本だけどね。」なんて話をすると子どもたちはその内容をすぐに覚えて、後日同じ話をしようものなら、「それはもう知ってるよ!」と怒られます。そして新しい知識を欲するように「他の話をして」とせがむのです。子どもたちの自然への興味は尽きません。探求心を刺激するのに、自然はうってつけの教材になり得ます。
さらに、虫の足を数えることで数字を学び、花の色で色彩感覚を磨く。花や虫の種類を知って語彙が増える。そのようにして他にも様々な”学び”につながっているのです。
では、子どもたちの自然への興味はどのようにして芽生えるのでしょうか。その方法はたった一つです。『外に出て自然に触れる機会を持つこと』。そして、その機会を作るのは我々大人の役割です。雨の多いこの季節ですが、休日に晴れ間を見つけたら、子どもたちと一緒に近場の公園へ遊びに行ってみませんか?
余談ですが、この季節に出会える少しマイナーな、でもとても素敵な虫を紹介します。
“ジンガサハムシ”です。ヒルガオの葉を好んで食べるこの虫は、一見、小ぶりなテントウムシのように見えます。しかし、外羽は透明で、金色に光る胴体が透けて見えます。そう珍しい虫ではないので、虫食いのあるヒルガオの葉を見つけたら、そっと葉をめくって裏側を見てみて下さい。もしかしたらジンガサハムシに出会えるかもしれませんよ。
今年の「かがくのとも(福音館)」6月号はジンガサハムシの絵本なので、そちらも併せて読み聞かせすると面白い発見があるかもしれません。
フロンティアキッズ新宿 副主任 石田 拓也