2023年5月
桜の木々も緑に色づき、新年度を迎えて早一ヶ月が経ちました。入園したお友だちも、進級したお友だちもそれぞれが新しい環境の中で少しずつ順応することができてきています。新しい環境に慣れるということは、大人でもなかなか難しいことですよね。子どもたちの様子を見ていると、改めて順応性の高さに驚かされます。
保育園という場所は、子どもたちが人生で初めて触れる「社会」です。子どもたちの人格形成を育むとても重要で責任のある場所だと思っています。
よく保護者の方から、「家にいる時と保育園での様子が全然違いますね!」というお話を伺うことがあります。子どもたちは小さいながらも、家での自分と保育園での自分というものを分けて行動していることがわかります。
子どもが集団生活をうまく送るには、社会性を養う必要があるといわれます。社会性という言葉には、多くの意味が含まれていますが、一般的に社会性というと「ルールを守ること」「人間関係を円滑にすること」が頭に浮かぶのではないでしょうか。幼児期でいうと、園でクラスの子と一緒に行動できる、自分勝手なことをしない、相手の気持ちを考える、などの社会性が必要になってきますね。
知性や運動能力以外のことは、すべて社会性だという人もいます。それだけ意味の広い言葉であり、さまざまな場面でさまざまな社会性が存在するといえるでしょう。
生まれたばかりの赤ちゃんでも社会性があるといわれています。病院内で赤ちゃんが一人泣くと、それを聞いた周りの赤ちゃんまで泣きだすことは、社会性のあらわれだそうです。半年ほどすると、人見知りを始める子もいますが、これは知っている人と知らない人を見分けるという社会性が育ってきたということなのです。
乳幼児期の子どもたちは、毎日色々なことを吸収し、成長しています。園の生活の中で社会性を身につけて欲しいと思われる方も少なくないと思いますが、子どもに身につけてもらいたい社会性とはどんなことでしょうか。
園の生活の中では、相手の気持ちを考えられるようになったり、自分と意見の違う子がいることを知ることで、みんながみんな自分の気持ちと同じではないことに気がつきます。言葉にして自分の気持ちを伝えなくてはいけないと感じるようにもなってきます。これらは「おもいやり」の気持ちにつながってくものなので大切にしていきたいと考えています。
フロンティアキッズ葛西 施設長