2022年12月
いよいよ今年も残りわずかとなりました。
4月から始まった2022年度ですが様々な季節のイベントを通してお子さんたちと共に楽しい思い出ができました。入園進級式から始まり、端午の節句、七夕、夏のお楽しみ会、スポーツフェスティバル、敬老の日など日本に親しみのある行事から、ハロウィンやサンクスギビングなど、数十年前には日本ではあまり馴染みのなかった行事など、それぞれが成長をお祝いするものだったり、邪気払いや感謝するものだったりの意味を込めて、関係するクラフトを製作しながら備えて、当日を迎えています。お子さんたちは、お話を聞きながら少しずつ理解し毎年の積み重ね楽しんでくれているようです。
11月には日本の祝日になっている「勤労感謝の日」とアメリカやカナダなどで感謝祭として祝日となる「Thanksgiving Day」の行事を合わせて、「ありがとう」の気持ちを育むお話の会としました。普段から接しているご家族の方や散歩の時などに見守っていただいている近隣の方々への感謝の気持ちを持ってカード作りをしました。本物の丸々のローストチキンを身近で見たり嗅いだりしながら、命の尊さを知ると共に自分たちの成長のための食事になってくれるお肉や野菜、果物などの食材への感謝の気持ちを「ありがとう」という言葉で表しました。勤労感謝の日もThanksgiving も年齢と共に理解度が増していくことでしょう。それもまた楽しみです。
今回は「ありがとう」という言葉に目を向けてみました。Wikipediaによれば「めったにない」「めずらしい」を意味する「有り難し」という言葉が語源である。また仏教語であったとも言われ、『法句経』にある生命の驚きと感動を伝える言葉が、時代と共に感謝を表す言葉となったとも言われている。と 載っています。「有り難し」はその言葉から見てわかるように、「有る」ことが「難しい」ということで、「めったになく貴重である」といった意味になります。普通ならありえないような貴重な行為をしてくれた相手に対して、こんな「有り難い」ことをしてくれて感謝しています、という気持ちを表すのが「ありがとう」の始まりだったようです。では、世界の言語ではどうでしょうか。
世界の感謝の言葉にも素敵な意味がありました。フランス語では、「ありがとう」を表す言葉は「merci(メルシー)」です。この「merci」とは、元々は神様がくれる「慈悲」のことです。キリスト教の世界観では、神様がかけてくださる情けがこの世で最も「ありがたい」ことだと感じられ、それが感謝を表す言葉になったそうです。英語の「thank you」の「thank」は「think(考える)」と同じ語源の言葉でここに込められた意味は「思い」です。つまり相手のしてくれたことの意味を考え、相手を思いやることこそが「感謝」なのだという考え方のようです。数か国だけしか載せられませんでしたが「ありがとう」の意味の深さを感じます。
普段から「ありがとう」が、当たり前に発せられると互いに気持ちがよいですね。子どもたちも一語文が言えるようになったお子さんも「あんがと」と発したり、日本の文化である「お辞儀」でありがとうを表現してくれます。「ありがとう」に溢れる社会になっていきたいですね。相手に対してもそして自分に対してもありがとうを言って、新しい年を迎えていきたいです。
フロンティアキッズ夏目坂 施設長 東條久美子