2022年9月
「私たちは何者なのか。」モンテッソーリ教育には、この永遠のテーマを探求する活動が存在します。それは文化教育活動の一つである「生命の歴史」。
私たちが過ごす「今」。この「今」を過ごすことができるのは、「過去」という歴史が存在するから・・・。この壮大な歴史を振り返り、全ての事象に感謝の念を培うことができる活動です。宇宙の誕生から始まり、地球の誕生、先カンブリア時代、古生代、カンブリア紀、オルドビス紀・・・新生代「人類の誕生」へと繋がります。子どもたちは、宇宙の誕生から現在を表にします。そうして、「生命の歴史」を体得していくのです。地球上に住む生物は、その時期、その場所で生きるために様々に形を変えて進化へと至りました。「生命の歴史」では、生物の進化の失敗、絶滅も、目の当たりにします。幼児期に、残酷な事実を知識として吸収することは、どうなのか。大人は立ち止まって考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、子どもたちは、その事実に驚くほど真摯に向き合います。「なぜ恐竜は絶滅をしたか」「なぜ哺乳類は生き残ったか」「地球上にシロアリやゴキブリがいなかったら?どうなっていたか?」生命の歴史を探求しながら、保育者は、子どもにこれら様々な疑問を投げかけます。そうすることで、子どもたちの探求心は益々向上します。シロアリ、ゴキブリとは?人間界で嫌われている生き物を改めて調べ「地球の掃除屋さん」という結論に達することもあるでしょう。哺乳類の生き残り戦術は?様々な疑問を自ら進んで探求するきっかけにもなります。そうして探求を進めながら、人類まで行きついたとき、私たちは地球の一部であることに気が付くでしょう。
「Who we are」~私たちは何者なのか~ この答えを自分なりに導き出し、これからの自分の未来へと進んでいきます。子どもたちの未来は輝かしい地球であってほしいものです。そして、私たちが忘れてしまった、人類は地球の一部であるという謙虚な心。モンテッソーリ教育で「生命の歴史」を探求した子どもたちは、感謝の念と謙虚な心を持ちながらも、地球の未来に貢献できる人となることでしょう。
フロンティアキッズ モンテッソーリ スーパーバイザー 柚木 亜季子