“Responsible Consumption and Production”
SDGs 持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)2021年度の取り組み結果発表です。
第1回目は、2021年6月30日 、SDGs 2 「飢餓をゼロに」でした。
第1回目の様子は、⇒ ①SDGsの取り組み2021~SDGs 2 「飢餓をゼロに」<<< こちらをご覧ください。
そして、
第2回目は、2022年3月29日、
SDGs 12 「つくる責任つかう責任」
“Responsible Consumption and Production”
「持続可能な生産消費形態を確保する」
[Ensure sustainable consumption and production patterns]
環境学生団体 em-factory さんによる2回目のWorkshop です。
まずは、SDGs 持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)についての説明です。
※ SDGs 持続可能な開発目標とは、
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され、
地球上の「誰一人取り残さない( Leave no one behind )」を誓っています。
SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものです。
日本も積極的に取り組んでおります。
今回の企画の目的は…
- 自分達の買う・使うという行為によって、世界と繋がっていることを実感し、普段の日常生活からエコを意識した行動ができるように、様々な企業の取り組みを知ろう。
テーマは、
SDGs 12 「つくる責任つかう責任」
“Responsible Consumption and Production”
- 子どもたちが、自分自身の世界が繋がっていると感じられる内容で、モノを買うと環境に対してどのような影響があるのか知ってもらいたいため。
- 子どもたちに物の大切さを知ってもらいたい。
概要は、
- 地球数個分の資源を消費している現代の生活スタイルから、地球環境や人権を配慮したサステナブル・エシカル消費に変わりつつあること。
- サステナブルファッションやフェアトレード、3Rなどの説明とワークショップを行う。
「せきにん」ってなにかな?
”じぶんのやくわりをはたすこと。”
やくわりをはたす…役割を果たす…
小さな子どもたちにはどのように説明すれば、わかってくれるでしょう?
大人は何気なく使っている言葉ですが、改めて意味を分析し、子どもに説明するとなると、難しいですね。
2-5歳児さんくらいの子どもにとったら、
「自分のことを自分で最後までやり遂げる」ような感じでしょうか?
モンテッソーリ活動で言えば、おしごと(モンテッソーリ活動)をひとりで最後までやり遂げ、そして、終了したら、棚のあるべき場所にきちんと戻す。
という感じでしょうか?
いずれ、理解する時が来ますので、焦らず、ゆっくり、前進しましょう。
例えば…
野菜をたくさん、きれいに、売れるように作ろうとして、農薬をまくと、生態系が壊れ、土壌も汚れます。
農薬が蒔かれて育った野菜や果物、要するに、虫も食べない野菜や果物は、見た目は立派でも、安全ではなく、品質は良いわけではないのです。
また、ゴミをやみくもに捨てることで、川も土も汚れます。
持続可能な消費生活の為には、地球環境や人権に配慮し、水や土などの資源を汚さない責任があります。
さて、皆さんに考えてもらいましょう!
お家のお手伝いをして、きょうだいでおこづかいをもらいました。
しかし、同じお手伝いをしたのに、
お姉さんは、500円もらったのに、
弟は、300円もらいました。
みんなが、弟だったら、どう思う?
「いやだ~!」
と言っていました。
「実は、こういうことが世界で起きているんだよ。」
「チョコレート、好きなひと~?」
「は~い!」
みんな大好きですね♡
”カカオ”って知ってる?
みんなが大好きなチョコレートの原料の豆です。
開発途上国では、カカオ生産で生計を立てている人々がたくさんいます。
チョコレートは、みんな大好き♡
だからみんな買います。
ビジネスとしてとても儲かるので、チョコレートの原料、カカオを安く買って、
チョコレートにして高く売ろうと考える人が先進国にはたくさんいます。
その中で、途上国が抱える深刻な問題の1つに、児童労働があります。
その数は約1億5,200万人、なんと世界の子どもの10人に1人にあたります。
そのひとつとして問題になっているのが、カカオ豆の農園状況です。
社会の慣習や伝統、文化的背景、教育制度や福祉制度の未発達などが原因で、
児童労働が起こることもありますが、多くの場合は、経済的「貧困」です。
「みんなと同じ年齢の子ども達が、毎日、朝から晩まで、学校にも行けず、友達とも遊べず、ただひたすら、農園でチョコレートの原料のカカオ豆を育てる為に働いているんだよ。」
「でも、チョコレートの原料のカカオを育てているのに、チョコレートは食べられないの。
チョコレートを食べるのは、ぼくたち、わたしたちのような先進国の人びと。
原料を作っている人は食べられないの。どう思う?」
みんな
「ずるい!!」
と言っていました。
チョコレートの原料カカオ豆は、赤道近くの高温多湿な地域で栽培されます。
世界のカカオ生産の約7割を占める西アフリカ地域では、農薬の使用や森の伐採などにより生態系や環境破壊が起き、地域の子どもたちは学校には行かれず、危険な労働を強いられ、さまざまな問題がおきています。
カカオ豆の生産、世界第1位のコートジボアールと第2位のガーナは、危険な労働を余儀なくされる18歳未満の児童労働者は、156万人に上ります。
このうちコートジボワールは79万人、ガーナは77万人です。
学校に行けない子ども達は、どうなるでしょう?
「字が読めないし、書けない」
カカオを生産する農村地域では、行政サービスが不十分で、学習環境が整っていません。
教師の数も不足しています。
教室の数も足りないため外で勉強したり、学校の数が足りず進学ができない子どもたちもたくさんいます。
ガーナでは幼稚園から中学校までの無償の義務教育がありますが、制服や学用品などを買うことができないために、学校に通えない子どもたちがいます。
義務教育を受けることができないと、基本的な読み書き、計算のスキルを身につけることができず、生涯にわたってさまざまな可能性や選択肢を狭められてしまいます。
次は、Fashion 洋服の話です。
「ふくをかうせきにん」
「みなさんの今来ている服は、お母さん、お父さんに買ってもらったものですか?
それとも、お姉さん、お兄さんのおさがりだったり、ご近所やお友達からもらったものですか?」
との質問に、
「おさがり~」と答えているお友達、たくさんいました。
現代社会、お店に行かなくても、お買い物が出来て、そして、お家まで商品を届けてくれますね。
お買い物が便利になり、生活が豊かになった反面、困った問題もたくさん起きています。
これはなんだと思いますか?
古着の山です。
着られなくなった巨大な服の山です。
「衣類の墓場」とも言われています。
捨てられた衣服には石油を原料とする化学繊維が使われているものも多く、
分解されずに砂に埋もれ、土壌汚染の原因となっています。
さらに、火災によって大量の有毒ガスが発生する事態もたびたび起きています。
その為、この地域に暮らす人たちの健康にも影響を及ぼし、懸念されています。
この服は、主に、先進国からやってきています。
善意の寄付という形で送られたはずの古着が、途上国で大量に捨てられている現実があり、
それが、環境汚染の原因となり、現地の人々に健康被害をもたらしています。
それでは、不要になった服、ゴミになってしまった服を減らすにはどうしたらよいかな?
着られなくなった服を再利用、リサイクルすることで、ゴミを減らせますね。
では、これから着られなくなった古い服を新しいお洒落な綺麗な服に変えてみましょう!
洋服の色塗りのワークをしました。
みんな、塗り絵が大好きなので、どんどん素敵な洋服にリサイクルしていました。
次のワークは、何が何にリサイクルされるのかな?
というクイズです。
Recycle さいせいりよう
”つかいおわったもので、あたらしくモノをつくること” です。
何が何に、Recycle(リサイクル)されているのか、点と点を線で結ぶワークです。
とても真剣に、一生懸命取り組んでいました。
皆、よくわかっていました。
さすがです!!
Recycle(リサイクル)とは、
つかいおわったものをつかって、もういちどモノをつくること。
さて、答え合わせの時間です。
牛乳パックは、トイレットペーパーなどに、
チラシ、雑誌、包装紙、お菓子の箱などは、また、雑誌、本、箱などになります。
ペットボトルは、卵のパックなどのプラスティック製品変わります。
瓶は、また、飲料水などの瓶になります。
Recycle(リサイクル)の例として…
- ビン、缶、ペットボトル、容器包装プラスチックなどを分別する
- リサイクルで生産された商品を選ぶ
- 家電を捨てるときは、住んでいる地域の家電リサイクルのルールに沿って処分する
住んでいる地域によって、分別方法が違います。
まずは、住んでいる地域の分別方法を調べて、知ることが大切です。
Reduce =すくなくする
むだなゴミのりょうをできるだけすくなくすること
Reduce の意味は、「減らす」 という意味です。
ごみの発生を減らすこと、資源の無駄遣いを減らすことです。
長く使えるものを選ぶことなどに気をつけて、ごみになるものを減らす意識を持つことが大切です。
Reduce の身近な例は…
- 買い物をするときはマイバッグを持参!
- 水筒(マイボトル)を用意!
- 修理すれば使えるものは、修理をしてお手入れし、長く使用!
- 過剰包装はしない!
- 日用品は、詰め替え用を選ぶ!
- モノを買う時、資源を節約して作られた省資源化(Conservation of Natural Resources)された製品を選ぶ!
3Rとは、ご存知ですか?
Reduce(リデュース)=ごみをへらす
Reuse(リユース)=なんどもつかう
Recycle(リサイクル)=べつのものにつくりなおす
3Rとは、環境保全のためにごみを減らそうという考え方で、環境保護を目的とするひとつの取り組みです。
生産者も消費者も、ごみが出ることを減らし、資源の利用を節約したり、
資源を再生利用したりすることに取り組み、
環境への負荷を減らす「循環型社会(Circulating society)」
または、「循環型経済(Circular economy)」へ転換することが求められております。
3Rは、「循環型社会(Circulating society)」へのキーワードです。
そして、3つめのRは、
Reuse(リユース)=なんどもつかう
再利用です。
Reuse(リユース)の主な例として…
- リターナブル(returnable) 容器(飲料水のビンのように、販売店で回収して洗浄し再利用する容器)のものを選ぶ=回収再利用
- 着なくなった服をフリーマーケットなどで他の人に譲る
- 読まなくなった本を古本屋に持っていく
- リサイクルショップを活用する
最近人気のフリマアプリもReuse(リユース)のひとつです。
さて、まとめに入ります。
「ぼくたち、わたしたちにできること」
- おさがりをつかおう!
洋服は、着られなくなったら、他の着られる人に譲りましょう。
そして、新しい服を買う前に、着られなくなった服を譲り受け、おさがりの服を長く、大切に着ましょう。
物を長く大切に使うことがとても大切ですね。
物への優しさ、思いやりの心を持ちたいですね。
SDGsの一環として、
Frontierkids Global school で取り組んでいることは…
ゴミの分別です。
包装紙やお菓子などの箱、紙類、プラスティックゴミ、瓶、缶、ペットボトルなどを分別しています。
分別することで、製品がもともと何で作られているのかを知るきっかけにもなります。
ぼくたち、わたしたちにできること
「フェアトレードマークをさがそう」
国際フェアトレード基準 (Fairtrade Standard) があります。
世界の貿易の仕組みにおいて、不利な立場におかれた生産者にとって、
公平、公正な取引条件を促進することが、国際フェアトレード基準です。
そして、児童労働を禁止し、安全な労働環境を保証します。
児童労働を生み出す「貧困」の連鎖を断ち切るため、生産者が利益を得られるよう、
持続可能な生産と生活を支えるフェアトレード価格を設定します。
フェアトレード(fairtrade)により生産者が適切に安定した収入を得ることができれば、
子どもを働きに出すような社会もなくなります。
フェアトレードで得たプレミアム(奨励金)では、
生産者たちの地域の教育や医療などの社会基盤の充実を図ることもできます。
また、フェアトレードでは、自然環境面でも厳しい基準が定められております。
森林を破壊したり、危険な農薬を使ったりすることなく、
自然環境や生態系を守りながら生産されます。
つくる人も食べる人も、皆、Happy♡になれるのが ”フェアトレード” です。
フェアトレード(fairtrade)のロゴマークです。
このマークがある商品を積極的に選ぶことで、
SDGs 12 「つくる責任つかう責任」の改善、取り組みに繋がります。
「ぼくたち、わたしたちにできること」
かいすぎないこと
しょうみきげんのちかいものをえらんでたべよう!
食料品には、全て、賞味期限があります。
この牛乳は、ここに賞味期限が書いてあります。
賞味期限が切れないように消費すると共に、賞味期限が近いものを購入するように心がけましょう。
「ぼくたち、わたしたちにできること」
かうまえに、つくったひとのかおをおもいうかべてみよう!
心を込めて作っているひとを思い浮かべ、
食材は、食べ残さないように、無駄に捨てないように、
モノは、大切に長く使用し、無駄にしないようにしましょう。
保育園で常に伝えていることは…
物にも命がありました。
子ども達が大好きな塗り絵やお絵描き用の紙は、もともとは木。
木製の棚や教具も、もともとは木。
木は、生きていましたが、人間の豊かな生活の為、商品になり、命を遂げました。
食べ物と同様、尊い命の大切さを、普段使っている教具や様々な道具から知ります。
また、道具には、口も耳も手足もありません。
みなさんは、口、耳、手足があるので、自分で好きなところへ行ったり、不平等なことがあれば、文句言えます。
しかし、モノには、それが出来ません。
お片付けしてもらえなければ、ずっとお家に帰れません。
投げられたり、蹴飛ばされたり、乱暴に扱われても、「痛い」と言えません。
みなさんが代わりになってモノの言葉を聞いてあげることが必要です。
モノを丁寧に扱い、使って終了したら、もとの場所に正しく戻してあげることが大切です。
それが、相手を思いやる気持ち、優しい気持ち、そして、環境への配慮に繋がります。
ひとりひとりの思いやりの気持ち、その行動が、
持続可能な地球の未来へと導くことが出来るのです。
今回も、たくさんの学びがありました。
環境学生団体 em-factory さん、どうもありがとうございました。
最後は、記念写真!
2021年度の
SDGs 持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)活動報告は、以上です。
2022年度も引き続き努力していきます。
どうぞよろしくお願い致します。
※ 環境学生団体 em-factory の皆様、及び園職員は全員、当日、抗原検査を実施し、「陰性」の確認の上、イベントを実施致しました。
<引用>
- フェアトレードとは…Fairtrade Japan(フェアトレード ジャパン)
- 衣服の墓場ー着られなくなった衣服の”末路” (NHK Web news)
- 環境保全のために普段の暮らしの中でできること(WWF Japan)
- ACE(エース):世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE
「Action against Child Exploitation(子どもの搾取に反対する行動)」