↑ からの続きです。
昨年から始めたアゲハ蝶の成長観察ですが、今年も次々とアゲハ蝶が戻ってきて、卵を産んでくれたので、じっくりと観察することが出来ました。
昨年とはまた違った発見があり、それぞれ成長にも違いがあり、まったく同じではありません。
昆虫にも個体それぞれの個性があることがわかりました。
人間と同じです。
昆虫は、謎深き世界です。
昆虫に限らず、自然、野生の生物は、まだまだ未発見な部分がたくさんあり不思議で未知の世界です。
ある意味、生物の研究は、ロマンを追う感じですね。
2021年6月1日に、今年初のアゲハ蝶が飛び立って、その後、次々にあおむしから蛹になり、蝶になって、羽ばたいて行きました。
テラスのみかんの木にアゲハ蝶がどんどん飛んでくるので、「あ!!蝶が飛んできたよ!!」と言って、蝶が飛んでくると窓際に駆け寄り、蝶の行動をじっと観察しながら、子ども達は嬉しさで大興奮でした。
次に、成虫まで無事に育った第2号は、7月26日で蛹になり、8月5日に蝶に羽化して飛び立って行きました。
アゲハ蝶の産卵サイクルは、春から夏に向けて、3~4回と言われております。
3~4月に羽化して成虫になるアゲハ蝶は、越冬した蛹です。今頃の秋、9~10月に蛹になり、冬眠状態に入り、春が来て暖かくなって羽化するパターンです。
その越冬して蝶になった子たちが卵を産んで、成虫になって飛び立つ子たちが5~6月くらいということですね。
その子たちが卵を産んで、あおむしになって、蛹になり、成虫になる頃が、だいたい7月~8月ですね。
実は、6月くらいから7月末くらいまでは、なかなか蛹まで成長できませんでした。
たくさん1~2齢幼虫がいるな~と思って観察していると、いつの間にかにいなくなっています。
梅雨の時期なので、長雨が続くと蝶の活動が減るのでしょうか?
もしくは、天敵が多いのでしょうね。
鳥や他の昆虫、動物たちも、春から夏は、子育て時期ですね。
子育て中の生き物たちは、たくさん食べないといけないので、あおむしは貴重なたんぱく源となるのでしょうから、こぞって食べられてしまうのかもしれません。
芋虫は、栄養のバランスがとても優れているそうです。
国によっては、芋虫を食材とする文化の人々もいますね。
そういうわけで、テラスにずっとみかんの木を置いておくと、蝶になる前にどんどんいなくなってしまい、蝶のライフサイクルの観察が出来ないので、幼虫と卵がたくさんついたら、室内の窓際に置くことにしました。
そのおかげで、今年はたくさん観察が出来ました。
テラスに置いたみかんの木にあおむしがいます。
興味津々、一生懸命観察しています。
2021年 7月25日(日)
アゲハ蝶の幼虫が1匹、前蛹になりました。
今年度第2号、NO.2 です。
7月26日(月)
蛹になりました。
8月5日(木)
NO.2 第2号蛹が羽化しました。
蛹になってから、約11日後です。
外に逃がしてあげました。
すぐに遠くには行かず、テラスの花の上にしばらく止まっていました。
2021年 8月4日(水)
おかげ様で、次々にあおむしが成長し、蛹になり、蝶へ成長していきます。
今年度、NO.3 第3号の蛹です。
みかんの木の植木鉢を段ボール箱を敷いてその上に置いておいたので、その段ボールの箱の中で蛹になりました。
段ボールの色が茶色なので、蛹の色も茶色です。
蛹の色は、蛹になった環境(周囲の色、日照時間、気温など)によって、色が変化します。
保護色になるのですね。
昨年の子たちは、みんな緑で、越冬した蛹も緑でしたが、今年は茶褐色が多かったです。
茶褐色だと、羽化する直前、蛹の中が透けて見えにくいので、ほんとにいつ羽化するのかがまったく見当つきませんでした。
調べてみると、秋は茶褐色の蛹が多く、越冬する場合が多いそうですが、夏の茶褐色の蛹は、越冬せず、10~14日くらいで羽化します。
同じ時期に蛹になった子でも、その夏に羽化する茶褐色の蛹もいれば、越冬する場合もあります。
緑色でもその夏に羽化する子もいれば、越冬して来年の春に羽化する場合もあります。
色だけでは、まったく予想が付きません。
謎です。
この子は、8月4日なので、真夏真っ只中です。
段ボールの色の保護色になっています。
自然界で言えば、木の色にカモフラージュしたと言う感じでしょうか…
段ボールの中で蛹になった子を見ながら、早速、蝶のライフサイクルの絵カードとフィギュアを使って、言語と文化のモンテッソーリ活動が始まりました。
しかも、自主的に昆虫の図鑑も持ってきて、蝶のページを開いて研究しています。
友達と相談しながら、学習しています。
大人は、無駄に手や口を出す必要はありません
ただ、環境を整えてあげるだけで良いとは、こういうことですね。
自然って、地球って、素晴らしいなとつくづく感じます。
自然の中にあるすべて物がそれぞれ唯一の教材になるのですね。
8月6日、2歳の男の子が段ボールの中を不思議そうに覗いています。
「これはなんだろう?」という感じですね。
8月11日の蛹の姿です。蛹になってから約1週間経ちました。
見た目はあまり変化ないですね。
8月12日(木)
なんと、朝8時半に箱の中を見たら、羽化していました!!
9日で羽化しました。早いです。
羽もしっかり伸びているので、1時間くらい前に羽化したのかもしれませんね。
「これが出て来たの?!」という感じですね。
8月6日に、不思議そうに蛹を観ていましたね。
羽化直後のアゲハ蝶を観察した後、皆で外に逃がしてあげました。
「バイバーイ!!元気でね~!」とお別れ。
真夏の大空高く飛び立って行きました。
8月7日(土)
もうすぐ蛹の旅に出そうな子がいます。
まるまるぷくぷくふくよかに育っています。
8月9日(月)
思った通り、旅に出ていました。
レースのカーテンで、前蛹になっていました。
安全なところを見つけてよかったです。
賢い子ですね。
左側に見える蛹の抜け殻は、昨年羽化した蛹の抜け殻です。
天井なので、誰にも触られないので、まだそのままの形で残っています。
8月11日(水)
蛹になっていました。
NO.4 第4号 蛹です。
白いレースに蛹になったので、なんとなくレースの色っぽい感じですね。
レースのカーテンの保護色になっています。
ライトイエローな感じでしょうか。
最終齢になったあおむしは、蛹の旅に出る直前に、大量の下痢便をします。
体内にある固形物と消化機能全てを排出するのです。
蝶になると固形物は食べないので、消化機能はもう必要ないからですね。
そして、蛹になれるベストな場所探しに旅に出ます。
もともとの木に蛹になる子もいれば、どこに行ったかわからないほど遠くまで歩いて行ってしまいます。
旅に出る前は、しばらくじっとして、身動きせず、このまま前蛹になるのかな?と思うほど微動だにしませんが、突然、思いついたように、ものすごい速さで動き回ります。
いつ動き出すかも、これもまったく予想が付きません。
気まぐれ的です。
8月19日(木)
蛹になってから10日くらい経ちました。
ちょっと色が変化してきたようです。
8月20日(金)
朝、8時に来てみると、羽化していました。
約11日で、羽化しました。
NO.4 第4号の蛹も無事にアゲハ蝶になれました。
造花のバラの上にやっと止まってくれたので、そっと記念撮影。
この子は、とても警戒心が強くて、全くじっと止まっていてくれませんでした。
この写真を撮るのがやっとでした。
人間の手にもまったく止まりません。
ちょっと近づいただけで、飛び回り逃げます。
蝶にも性格があるんですね。
手に止まったり、頭に止まったりして、とてもフレンドリーな子もいれば、この子のように、人間が近づくと慌てふためいた様子で飛び上がっていきます。
何はともあれ、無事に羽化して、大空に羽ばたいて行ったので良かったです。
NO.2 、NO.3 、NO.4の蛹が蝶に成長して羽ばたいて行く間にも、次々に他のあおむしたちが育っていました。
↓こちらは、8月6日のみかんの木です。
1齢から5齢までたくさんいるのがわかりますか?
ものすごい数のあおむしと卵がついていたので、実は、10匹くらい、外のみかんの木に移しました。
可哀そうですが、このままでは、みかんの葉っぱがなくなって、みんな餓死してしまい、みかんも枯れてしまいます。
天敵がいないとこうなるのですね。
みかんもあおむしも幸せに生きて、命を繋いでいくためには、自然の仕組み、生態系はとても大切ですね。
8月9日(月)
この子はそろそろ旅支度を始めそうです。
8月11日(水)
旅が始まりました。
すごい勢いで歩き回っています。
歩いている様子を観察中です。
8月12日(木)
支柱に、前蛹になっていました。
NO.5 第5号、前蛹の観察中。
8月13日(金)
昨日の前蛹が、蛹になっていました。
NO.5 第5号の蛹です。
支柱に蛹になりました。
蛹の様子を観察中です。
NO.5 は、NO.4 の3日後に蛹になりました。
支柱に蛹になってくれたので、よく観察できるように、支柱を動かして、ゴムの木にお引越ししました。
8月21日(土)
まだ、特に変化ありません。
8月23日(月)
ちょっと黒っぽくなってきました。
いよいよ羽化間近です。
8月24日(火)
NO.5 第5号 蛹、羽化成功です!!
最初、床にいたので、危なかったです。
踏み潰さなくてよかったです。
ゴムの木の上に乗せてみました。
この後、外に逃がしてあげました。
8月24日(火)
テラスのみかんの木に産み付けられた卵がたくさんあります。
これが全部蝶になるまで育ったら、みかんは丸裸になってしまうでしょう。
テラスの卵は自然のままの状態で、運命に任せました。
色が黒い卵は、孵化間近です。
孵化が近づくと黄色からだんだん黒くなってきて、卵の中の幼虫が透けて見えるようになります。
卵と幼虫観察です。
8月のアゲハ蝶の成長観察は終わりです。
この後は、9月に続きます。
今年は、9月1日から、一気に秋になり、涼しくなったので、今年は去年より早く越冬状態になった蛹が多いような気がします。
その理由については…
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