エチケットとしてマスクに向き合う子どもたち

Nursery Blog

お知らせ

エチケットとしてマスクに向き合う子どもたち

新型コロナウイルス感染症の拡大のペースが衰える様子は、まだいっこうに見られず、緊急事態宣言もさらに1カ月延び、今のところ3月7日までということになりました。

感染予防としてマスクを着用する機会が圧倒的に増え、今ではどこに行くにもマスクなしでは出掛けられませんね。もうすっかり習慣となってきて来ます。

保育園でのマスク着用は、今までは大人だけで子ども達はマスクをつけておりませんでしたが、先月末より、子ども達もマスクの着用を始めました。

子どものマスク着用についての必要性、効果があるかどうかは、専門家の方々の中でも議論になっているようです。

WHOでは、5歳以下の子どもはマスクが適切に使用できないという観点から使用を推奨しないとしています。

こちらに、The World Health Organization (WHO)世界保健機関が推奨する新型コロナウイルス感染症対策の「こどもとマスク」について記載されております。

→ Coronavirus disease (COVID-19): Children and masks

 

日本小児科学会では、2歳未満の子どもにはマスクは不要であるという考えを示しています。その理由としては下記が挙げられております。

・呼吸が苦しくなり、窒息の危険がある。
・嘔吐した場合にも、窒息する可能性がある。
・熱がこもり、熱中症のリスクが高まる。
・顔色、呼吸の状態など体調異変の発見が遅れる。
・正しくマスクを着用することが難しいため、感染の広がりを予防する効果はあまり期待できない。

上記の理由から、2歳未満はマスクをするのではなくほかの方法で感染を予防することが望ましいという見解になっております。

こちらに、日本小児科学会の「子どもおよび子どもにかかわる業務従事者のマスク着用の考え方」があります。

→ 子どもおよび子どもにかかわる業務従事者の マスク着用の考え方

 

新型コロナの感染拡大の勢いが衰えない状況の中、子ども達はどんどん成長・発達しております。発達に沿った経験、学びをしないといけないことがたくさんあります。

このような状況の中、子ども達が伸びようとしている力をどうしたら遮ることなく、環境を与えてあげられるか、提供してあげられるか日々模索しているところです。

今、この時期にしか身に付けられない、今だから!今が最適な学びの時期だから!という大切な経験はどう取り組んでいけばよいのか、悩む毎日です。

そして、世間では様々なイベントを中止にせざるを得ない状況が続いております。

しかしながら、子ども達の為にたくさんの大切な学びの場、経験する時間を与えてあげたいという思いは諦めきれません。

その為、園で出来る感染予防は、出来る限り行いながら、子ども達の発達の為に必要不可欠で大切なことを省くことがないように精一杯努力しております。

過去を振り返ると不備も確かにあり、ご指摘を頂き、その都度、職員皆で反省し、再認識し、改善しております。

”絶対に感染しないさせない”という強い意識で日々取り組んでおり、できる限りのことは行い、手の触れるところは毎日消毒をしているつもりです。

但し、正直、完璧を求められると、そこは申し訳ないのですが、絶対完璧とはお答えできず、大変申し訳ございません。しかし、職員皆の意識の中では“完璧にしよう”という思いはあります。

子どもによる感染はどの程度なのかはまだ調査中のようですが、12歳以上からの年代に比べると他人に感染させる確率は低いと言われております。

しかし、低いということで、可能性がないわけではありません。

そこで、感染予防の為だけではなく、エチケットとしてマスク着用を始めました。

モンテッソーリ教育の”日常生活の練習”の分野の中で、「自己自身への配慮」「気品と礼儀」がテーマになっている活動があります。

「自己自身への配慮」の中には、鏡を見る、着脱、手を洗う、歯を磨く、洟をかむなど、身支度を整える、身だしなみ、清潔にするなどが目的の活動があります。

「気品と礼儀」の中には、様々な場面での挨拶の仕方と言葉、戸の開け閉めの仕方、刃物(はさみ、鉛筆など先の尖ったもの等)の受け渡し、他人の仕事を見る態度、社会性が主題となった活動があります。

マスクの着用については、この2つのねらいに当てはまると思います。

エチケットを辞書で調べてみると、「礼儀作法」と出て来ます。礼儀作法を調べてみると、人がその社会生活を円滑に営み、社会秩序を保つために用いる規範と実践の総体で、社会の秩序や人間関係を構築し維持するための行動様式とあります。

簡単に言えば、エチケットは、そこで生活していく中で、人に、社会に、「迷惑をかけない」「他人を不快にさせない」そして、良い人間関係を作り、その社会で生きて行くためのマナー(作法)ということですね。

このようにマスク着用を、エチケットとして保育現場に取り入れてみました。

お子様のマスク着用においては、無理強いはしておりません。やはり暑くなってきたり、うっとうしくなってきたりすると、自然と外しております。

また、園庭遊び、体操、リトミック等、身体をたくさん動かす運動の活動の時は、肺活量が上がるので外します。

お子様たちは、わりと喜んでつけています。マスクの柄をお友達同士で見せ合いっこして、楽しそうにお話しています。大人が皆着けているので、自分のマスクもあるということで、けっこう嬉しそうです。

置き忘れの場合は、声をかけ、身に着けるように伝えますが、記名のない置き忘れで、持ち主がわからない場合は、衛生上処分させて頂いております。

食事、午睡、体操、運動活動の時は、着用しているマスクは自分のマスクケースにしまい、それをマスク入れの籠に入れておきます。

エチケットとしてマスクから学べることは、マスクなしで、咳やくしゃみをすると周囲の人が嫌がる、迷惑をかけることもあるなどを感覚的に感じ、マスクを付けると周りの人は嫌がらず、安心するなど、身近な人たちや環境に配慮するという社会性(マナー)を学ぶことができます。

また、健康管理においても、自分で自分の健康を管理するということも学ぶことができます。衛生・健康への意識を高め、自己管理ができるようになると思います。

ネガティブになりがちな時だからこそ、必ず良いこともあると信じて、Positive thinkingで前を向いて、上を向いて、お互い協力し合い、今を乗り切っていきましょう。

 

さて、

最近、とても嬉しいことがありました。

子ども達が自主的に、お掃除をするようになりました。誰かが突然はじめ、それを友達が真似して、仲間が増え、大勢で行っている時があり、まるで年末の大掃除状態になります。拭き掃除用布巾、雑巾を濡らして、ぎゅっと絞り、棚や教具だな、扉を一生懸命拭いているのです。

また、棚の上に置いてある教具の下もちゃんと拭いています。そして、さらに、あけ移し用の細かい小物もひとつひとつを布巾に包んで拭いています。とても丁寧です。

これも、今の社会状況から学んだことかもしれません。

きっとご家庭でも、こまめに消毒したり、お掃除したりしていらっしゃるのでしょう。

保育園でも、掃除はこまめに行い、特に消毒の為の拭き掃除は何度も行っております。その大人の姿を見て学んでくれているのかなととても嬉しく思います。

こういう状況だからこそ学べることもたくさんあるでしょう。

人と気軽に会えない辛さ、人に気軽に話掛けられないもどかしさ、マスクをした顔しか見られない生活、モニターの中でしか会えない人々、自粛で孤立してしまう辛さ、など…

最近は、精神面へのダメージが強く、配慮が必要と言われるようになってきました。

しかし、ちょっと考え方をポジティブにしてみると、

今まで、当たり前であったことが出来なくなり、制限のある生活を送らねばならないこの状況を経験することで、辛い境遇、悲しい状況に生きている人々の気持ちがわかる思いやりの心が育ってきているのではないかと思います。

今まで気づけなかったことにも気付けるようになったかもしれません。

今をサバイバルすることで、逆境に負けない強い精神力が養われるのではないかと思います。

人と人との繋がり、助け合いの大切さ、お互い様の気持ち、相手の立場になって考える思いやりの心など、多くのこと感じ、学ぶことが出来ているのではないでしょうか?

そして、今を乗り越え、サバイバルしていくことで、強い精神力、体力が身に付くことと思います。

みんなで、Positive thinking で頑張りましょう!!

 

最近あった嬉しいことで、”お掃除の様子”をご紹介致します。

 

棚拭き用のタオルで、棚と教具を一生懸命拭いています。

子どもたちは、秩序があることが大好きです。

綺麗に整えられた環境は、心が落ち着きます。

ですから、部屋や物が綺麗になることはとても嬉しいのです。

 

雑巾を洗って絞っています。絞り方がとても上手になってきました。

最初の頃は、力が弱くてぎゅっと絞り切れず、水がぽたぽた垂れながらあちこち拭いていて、拭いてるのか濡らしているのかわからない感じで、それもまた可愛らしかったのですが、今では、すっかり技術が身につき、水が垂れてこなくなるまで力強く絞れるようになりました。

最近、小学生で雑巾を絞れない子が多くなったと言われます。考えてみると力強く絞る、ねじる、ひねる、等の動作をするチャンスが生活の中で少なくなっているのかもしれません。

例えば、水道も、公共の場では、蛇口の下に手をかざせば水が出てくるところが多くなりました。扉も自動で開きますし、鍵も最近は暗証番号だったり、顔認識だったり・・・意識しないと手・指を使わなくてもいろいろと出来てしまいます。

こうなってくると、文明の進化、近代化、便利になり過ぎる生活は、将来大丈夫かな?と心配になってきます。

 

こちらは窓ふきをしています。

最初の頃は、霧吹きで窓ガラスに水をかけるのが楽しくて、そればかり行って床がびしょ濡れになっていましたが、最近は、床が濡れたら雑巾を持ってきて拭くようになりました。

 

こちらは、先月のお掃除の様子です。

ひらがな50音スタンプをタオルで拭いています。

たくさん使って、文字が見えなくなるくらいインクで真っ黒になってしまったので、先月週末に、塩素系消毒液につけ、漂白しました。

それを水で数回洗い流した後、

「お手伝いしてくれる人いるかな?一緒に拭いてくれると嬉しいな~」と声掛けすると、

「いいよ!!やってあげる!!」と喜んでお手伝いしてくれました。

黒いインクが取れて、文字がくっきり見えてくるのが嬉しそうでした。

ひとつひとつとても丁寧に拭いてくれて、ピカピカに綺麗になりました。

みんなとても綺麗好きです♡

 

youtubeバナー