「サリーのカゴ、アンの箱」

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「サリーのカゴ、アンの箱」

2019年 9月

 「人の痛みの分かる人に育ってほしい」…誰もが願い、私たち保育士も子どもたちにそう育ってほしいと願っています。それでは「人の痛み」はいつ頃分かるようになるのでしょうか。

 発達心理学における「心の理論」というものがあります。心の理論とは「他人の心を推測する」という心の機能のひとつです。その獲得の度合いをはかる有名なテストに「サリーとアン課題」 ( 誤信念課題 ) というものがあります。

 ① サリーとアンの二人が部屋の中で遊んでいます。
 ② サリーは自分の人形をカゴの中に入れて部屋を出ます。
 ③ サリーが出ていった後に、アンはカゴの中の人形を自分の箱の中に隠しま す。
 ④ 部屋に戻ってきたサリーは、もう一度人形で遊ぶためにどこを探すでしょう?

 このテストは自分の視点以外 ( サリーの視点 ) に立てるかどうか、そしてサリーの「人形はカゴの中にある」という信念を理解できるかどうかというテストです。
 サリーはアンが人形を箱の中に移したところを見ていないので、正解は「カゴの 中を探す」です。

 実はこのテスト、3歳児(平均で3歳6か月) では過半数以上が「箱の中を探す」と、自分の見たままで答えます。これが4歳児(平均で4歳6か月)では逆転して過半数が「カゴの中を探す」と答えられるようになり、就学する6歳では95%以上の子が正答できるようになります。

 3歳児ともなると、大人顔負けに会話ができたりするので、この結果に驚かれた方は多いのではないでしょうか。
 結論としては「大人が思うほど子どもは相手の気持ちを分からない」ということです。ましてや3歳以下のお友達はなおさらです。反面、お友達という存在に興味の出てくる年齢でもあるので、一緒に遊ぼうとしてトラブルになることも多い時期です。

 こういった時、どうしても大人は「お友達に優しく」と言ってしまいがちですが、「優しく」というのはとても抽象的です。子どもは大人の言葉の真似をして「やさしくしなきゃダメなんだよねー」と言ったりもしますが、その「優しく」は具体的にどういうことなのかは分かっていなかったりします。
 まずは、本人の「身体の痛み」や「心の痛み」に共感していくと、「これをされたら嫌だったね」「これをされたら痛かったね」と「やさしさの内容」を具体的に伝えてあげられるとよいですね。

 
フロンティアキッズ上馬 施設長

 

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