「スポーツ宣言日本」と「子どもの権利とスポーツの原則」

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「スポーツ宣言日本」と「子どもの権利とスポーツの原則」

 先日、2024年オリンピックが閉会し、今度はパラリンピックが開始しました。保育園でも様々な視点で子どもたちから関心を集めていた出来事でした。 日本では平成23年に「スポーツ宣言日本~二十一世紀におけるスポーツの使命~」という宣言が発表されており、日本のスポーツが100年にわたり積み重ねてきた歩みをもとに、次の100年をどのように考え、どこに向かうのかの指針を示すものです。今、もし子どもたちに「何でスポーツをしてるの?」と聞かれたら、皆さんは何と答えますか?「健康」や「美容」、「仲間との交流を楽しむ」などきっと様々な答えが浮かぶと思います。子どもたちに聞けば「プロの選手になりたい!」「オリンピックに出たい!」など返ってくるかもしれません。かくいう私は以前スポーツに携わり、指導をする立場で、スポーツを通した「国際協力や交流、支援」を目的として行っていた頃がありました。では、そもそもスポーツ本来の意義とはどのようなことなのでしょうか? 

 

 このスポーツ宣言の中ではスポーツとは自発的な運動の楽しみを基調とする人類共通の文化であり、この文化的特性が十分に尊重されるとき個人的にも社会的にもその豊かな意義と価値を望むことが出来る。つまり暮らしの中の楽しみとして、青少年の教育、人々の交流を促し、健康を維持増進するものとして、更には生きがいとして多くの人々に親しまれ、幸福を追求し健康で文化的な生活を営む上で不可欠なものであることを謳っています。

 

 また、ユニセフでは「子どもの権利とスポーツの原則」というものが作られ、その重要性が謳われています。しかし、残念なことに、時々、スポーツをする中で子どもが体罰を受けたり、厳しい言葉で傷ついたり、体に負担がかかりすぎて将来スポーツを続けられなくなったり、そもそもスポーツをする機会を与えられない等の問題も起きています。私たちは子ども達にとって一番身近で重要な支援者として子どもが持てる力を発揮し、スポーツを楽しめるように保証する責任があります。更にはそのスポーツをどのようにしていきたいのか、子どもとよく話をし、必要なサポートを考え、期待しすぎたり、関わりすぎないことも大切であり、時には、頑張りすぎないよう止めたり、必要な時には子どもの権利を守るために周りと話をしたりすることも私たち大人の重要な役割のひとつです。

 

 子どもたちがスポーツそのものを自身が自身のために心から楽しみ、幸福で豊かな生活を営んでいけるように。私たちは協力をしあって今後も1つ1つ子ども達の権利を守り続けていきたいと思います。

 

                     フロンティアキッズ葛西 施設長

塚越 庄太郎