楽しい、楽しい、リトミック

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楽しい、楽しい、リトミック

 4月から毎週行っているリトミック。心身の発達のみだけでなく、音への反応でも回を重ねるごとに成長が感じられます。即時反応では子どもたちの「したい」動作を取り入れてクマやヘビ、時にはゾンビなどその場でのリクエストも大事にして取り入れると、目を輝かせて取り組んでいる姿にこちらも嬉しくなります。明るい和音長三和音)で散歩をし、緊張感のある和音(減7の和音ではオバケになりきってその後の暗い和音(短三和音)でオバケから逃げ…不思議な雰囲気を持つ和音(増3和音では一本橋から落ちないように線上歩行をし、と音楽的にメリハリをつけて楽しんでいます。唇を尖らせて集中している姿にこちらもワクワクしながらピアノを弾いています。

 

 リトミックを考案したのはエミール・ジャック=ダルクローズというスイスの作曲家であり、音楽教育家です。ジュネーブ音楽院という今でも続く名門の音楽院で教鞭を取っていた時に、技術面だけでなく音楽を聴き取る力を養い、音楽的能力を高める為に考案されたものです。対してマリア・モンテッソーリ、前述のダルクローズと同世代です。モンテッソーリは「子どもの発見」の中で幼い子どもたちには音楽の「手ほどき」しかできないが、充分な成果を得るためには、子どもたちの周りに充分な音楽があること、さらに音楽的な「感性と知性」を伸ばすことのできる環境にあること必要だ、と述べています。また、音楽は子どもにとって言葉であり、言葉のように環境を通して吸収するべきものであり、子どもの中には吸収できる能力が備わっているとも記されており、イタリアで開設された「子どもの家」でリトミックが取り入れられていたそうです。リトミックの自分で音を聞き取り、判断して表現する面とモンテッソーリ教育の自分で選択し実施し、終わりを決める自己決定をするプロセス、「自分で」を大切にしている姿が共通していますね。

 

 「今日は何の楽器〜?」と各園回っていると子どもたちが聞いてくれます。「ええとね、うんとね…あとでのお楽しみ」ともったいぶって答えるとキラキラした笑顔で「なんだろう、太鼓かな」など楽しそうに考えてくれます。子どもの「楽しい」を大事に今後もリトミック展開してまいります。

 

 題名の「楽しい、楽しい、リトミック」ですが、手拍子をつけて言ってみてください。手を叩いてリズムに乗って楽しめたら、もうそこはリトミックの入口。ようこそ、楽しい音楽の世界へ。

 

Frontierkids Kagacho    鈴木  久美子