毎年のことですが、今年度も残り1か月となりました。「1月行く、2月は逃げる、3月去る」ということわざ通りこの3月もあっという間に過ぎ去ってしまうことでしょう。
残り1か月の大切さをひしひしと感じます.年長さんは4月から通う小学校に思いを馳せていることことでしょう。
今年は2月が28日まででしたが、うるう年になると2月29日までになりますね。「うるう」は「閏」と書き、字のごとく門の中に王がいてうるう月の時には、王は門から出ずに政務を行わないという事だったようです。また、「うるう」というのは正統ではないあまりものという意味があり、一年で言えば365日で続けていると、ほんの少しずつ季節と暦がずれていきます。いつしか夏が冬になり、冬が真夏になるという事にもなりかねません。なるほど、何百年、何千年の間、うるう年を作らなければ季節が全く逆になっていたのかもしれませんね。大きなものを変えずに小さなものを変えるというようなことだという説も聞かれます。
ところで、この「うるう」という事を保育に置き換えると、〝正統なもの・大きなもの=子どもの成長や保育園の基盤″は、〝あまりもの・小さなもの=日々の積み重ね″が要という事が言えるのではないでしょうか。「這えば立て、立てば歩めの親心」という言葉がありますが、次へ次へと成長の姿を期待する気持ちはどうしてもあるものです。保育の中でも、体の成長ばかりでなく心の成長に関しても、‶友達のことを思いやれる子に早くなってほしい″とか、‶もう少し大人の言葉を理解してくれる年齢だったらなぁ″と思うことがあったりします。でも明日になったらそのようになるというものでもありません。粘土で動物や車などを作るのとは違います。器用な子どもはこれらをササッと作り上げてしまうでしょうが、人間を育てるのはそうはいきません。やはり、小さなことの積み重ね、日々の積み重ねが大事になりますね。
大きな目標を立て、それを今後の活動、生活の中でどのようにしていけば目標に近づけるだろうかと考え、それに向けた働きかけをしますが、子ども達の心身の成長においては特に、微に入り細に入り考えていく必要があります。
親になるとついつい他人のお子さんと比べて、うちの子は・・・と考えがちですが、「あなたはあなたのままで」の気持ちを持ち、子どもの成長を見守っていきたいものです。その際にはぜひ、「うるう」を頭の隅に置いて少しずつ、少しずつ今日を積み重ねて子育てを楽しんでいただきたいと思います。
私たち職員も日々色々な物事と向き合いながら、子ども達が「保育園が楽しい」と思えるよう活動を展開してきました。至らない点も多々あったかと思いますが、保護者の皆様のご協力のもと、今年度も何とか無事終えることができそうです。
本当にありがとうございました。
フロンティアキッズ上町
施設長 田原彰子