ある日の朝、プールの準備をしようと職員が中庭に出たところ、鳥の雛が中庭に2羽落ちていました。1羽は起き上がれないほど、脚を痛めている様子でした。中庭にある椿の木に巣を作っていて、そこから落ちたようです。親鳥から調べたところ、「オナガ」という鳥と判明しました。親鳥は頭は黒いベレー帽のようで、羽は青みがかった灰色をしています。全長の半分以上もある長い尾っぽがあります。野鳥なので飼育はできません。しかしながらこのまま放置しておくと、プール活動によって溺れてしまう可能性があります。相談をして、一旦保護をすることにしました。プール活動が終わり、中庭が落ち着いたころに戻してあげることにしました。
保護している間も、親鳥が鳴いているのが聞こえます。親鳥の声が聞こえると、それまでうづくまってジッとしていた1羽も口を大きく開けて鳴いています。早く戻してあげたい。園の子どもたちも心配なお顔でジッと見つめていました。東京都の野鳥保護の会にどのように戻したら良いかのアドバイスをもらいました。一番良いのは巣に戻してあげること、しかしながら、巣はとても高い位置にあり、届きません。それでは、枝に! 1羽は脚の負傷で枝を掴むことができません。「ん~どうしたらよいのだろう?」 人工の巣になってしまいますが、手の届くところに巣を作ってあげて、そこに戻そう!と すぐに職員がちょうど良い大きさの籠を見つけてそこに枝を入れて椿の木に取り付けました。
「頑張って生き抜いてね。」子どもたちと願いを込めて巣に戻しました。
夕方、2階の保育室からそっと覗いてみました。なんと雛が4羽もいました。
どうか、どうか、無事に飛び立ってくださいね。