2020年12月15日(火)
環境学生団体em factoryさん企画の「地球に優しい エコキッズに大変身!」というワークショップがありました。
環境学生団体em factoryは、早稲田大学を中心とするインターカレッジサークルで、”環境×ビジネス”をテーマに様々なイベントやワークショップを開催し、環境への興味やグローバル目標であるSDGsの認知度の向上を目指して活動している団体です。
9時半から、園内で、2~5歳児クラス全員で、学生さんによるセッションがありました。
まずは、環境学生団体em factoryさんの自己紹介です。
「地球を守りながら、お金を生み出す方法を考えて活動している団体です。」
なるほど、とても分かりやすいですね。
SDGsも一言で分かりやすく言えば同じような取り組みですね。
SDGs(持続可能な開発目標 Sustainable Development Goals)
「持続可能な開発のための2030アジェンダ(the 2030 Agenda for Sustainable Development)」は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すという国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから組み立てられており、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を誓っています。
SDGsは発展途上国のみの問題ではなく、先進国自身が取り組む課題であり、ユニバーサル(普遍的)なものです。今、日本も積極的に取り組んでいるのです。
そして、未来を担うエネルギッシュな若者たち、環境学生団体em factoryさんによる「地球に優しい エコキッズに大変身!」のワークショップが始まりました。
今回のメインテーマは、「海洋プラスティック問題」で、ごみの分別の大切さを教えて頂きました。
子ども達もとても興味を持って、真剣に話を聞いています。
17のゴールのうち、2番の「飢餓をゼロに」みんなが食べられる世界をつくろう!というお話しもありました。
そして、14番の「海の豊かさを守ろう」のテーマになりました。
ゴミが増え、処理されずにそれがどんどん溜まるとどうなるかな?
海に流れてしまい、ゴミだらけの海になります。
そうすると、様々な海洋生物が生きて行くのに困ってしまうのです。
そのゴミの多くは、”海洋プラスチック”です。
プラスチックゴミが海に流れ、ウミガメ等の海の生物たちが食べ物と間違えて食べてしまい、食べてしまったウミガメたちは病気になってしまいます。
海を綺麗にするにはどうすればいいのかな?
ゴミをポイ捨てせず、ゴミ箱に捨てる。
ゴミにも”燃やしてよいもの”と”燃やせないもの(燃やすと空気が汚れるもの)”があります。
地球の環境を守るためには、どの素材が大気汚染になり、環境によくないかということを知っておくのはとても大切なことですね。
そして、ゴミの分別ゲームが始まりました。
燃やせるゴミは、赤い輪〇に入れます。
燃やせないゴミは、青い輪〇に入れます。
分別ゲームとても面白かったです。
この後は、答え合わせ!!
みんな正解で大盛況でした。
楽しくみんなで地球環境について勉強しました。
「便利な生活が地球を苦しめてるんだ。ものは大切にしよう!」と感じてくれたかなと思います。
最近は、昼食の時、苦手な食材があっても、「世界には飲める水も食べ物もなくて毎日悲しい思いをしているひとがたくさんいるんだよね。そして、この食べ物も食材になる前は、大切な命があって生きてたんだよ。みんなが健康ですくすく大きくなるように、みんなの為に美味しくお料理されたんだね。それなのに、ゴミになったら、悲しいね。」
という話をすると、残さず全部食べるようになってきました。
小さいながら、いろいろなことを心で感じて、身に着け、学んでいます。
この後は、Pioneer(4歳児クラス)と Frontier (5歳児クラス)は、JICA地球ひろばへ行きました。
お天気にも恵まれ、暖かい陽気で冬のお散歩日和でした。
JICA地球ひろばでは、2グループ(Pioneer と Frontier)に分かれて行動しました。
こちらは、Frontier(5歳児クラス)です。
ここのお部屋は、アフリカ、アジア、南米などの民族衣装や伝統楽器などが展示してあり、楽器は手に取って音を鳴らしてみることが出来ました。
途上国の生活や文化を見て、触れて学びました。
こちらは、Pioneer(4歳児クラス)です。
ここのお部屋では、SDGsの目標について、様々な角度からの説明があり、体感して学べるようになっています。
アフリカの水がない地域に住んでいる人々、自分と同じくらいの子ども達が毎日、水を求めて何kmも何時間も水を持って運んでいるということはどんな感じなのか、どんな思いなのか、実際にバケツに同じくらいの量の水を入れ、持ってみました。
「重い!!持ち上げられない~!歩けないよ~!」と驚いていました。
ゴミの分別ゲームがありました。様々な素材のゴミのカードがあり、それを仕分けします。
カードの仕分けを間違えると、箱の下に落下します。正解だと、プラカードのように立ちます。
何度も繰り返し、仕分けを楽しみながら、いろいろな素材を認識していました。
アフリカなどの亜熱帯地域では、蚊が媒介となって発病するマラリアが流行するので、刺されないように気を付けなければなりません。
その為の蚊帳が体験できるようになっていました。ネットには、蚊の飛ぶ音が出る小さいなスピーカーがところどころについていて、それを聞いただけで、なんだか痒くなってきます。
日本も昔は蚊帳がある家がけっこうありましたが、最近は、どうなのでしょう?
あまり見かけませんね。南の方ではまだ使われているのでしょうか?
こちらは、ゴミで作られたボールです。発展途上国の子ども達はボールがないので、ゴミで手作りしたボールでサッカーなどのスポーツを楽しんでいます。ゴミで作られたボールで遊んでみました。
とても軽いです。凸凹しているので、どこに転がるか予想がつかず、それが面白くて楽しんでいました。
SDGsパズルです。それぞれの目標の立方体がお互いどこか必ず繋がっているので、全部うまく繋げ合わせないと完成しません。全てが組み合わさることで、17のゴールに到達するということですね。
完成しました!!
日本の食卓で馴染みのあるメニュー、その食材はどこで作られているのかな?
納豆、ご飯、味噌汁、マヨネーズ、醤油などのレプリカがあり、それについているバーコードを照らすと食材の原産地がモニターに映し出されます。
ほとんどが海外からの輸入で、日本の食事はかなり外国に頼っているということがわかります。
いろいろな食材を次々に試していました。
台所ですね。途上国では、このようなキッチンで食事を作っているんだということを知りました。
「昔の日本もこうだったんだよね」と話ているお友達もいました。
さすが、年長さんになるといろいろなことをすでに知っています。
アフリカの子ども達が通っている学校の教室です。
実際に席に座って、授業を受けることを体感してみました。机の上には、ビンの蓋がいくつかあります。鉛筆や紙がないので、ビンの蓋を使って算数などを勉強するそうです。
文字や標識の意味が分からないとどんな危険なことになるかを教えてくれる箱です。
選択問題になっています。正解だと安全で、不正解だと、命が危険な結果になります。
まだまだ学校にいけない子ども達、勉強する権利を与えられない子ども達がたくさんいます。
世界中のみんなが学校に行って勉強できる世の中しなければならないと感じます。
ペンの先を各国のカードに当てると、その国の言語の挨拶が聞けます。
世界各国でのSDGsの取り組みについての現状がわかります。
どの国がどれだけ努力して、結果を出しているか。進捗状況報告みたいな感じですね。
各国のカードを入れて、どの色のランプが付くかを楽しみながら、黒は何?赤は?緑は?と聞きながら彼らなりに学んでいました。
身近なものが、何からヒントを得て開発されたのかがクイズ形式で学べるようになっています。
私たちの生活にはもはや欠かせないパーム油ですが、そのパーム油畑の開拓の為に住処を奪われて、絶滅に追い込まれている野生動物がたくさんいます。森林の急速な消失により、オランウータンは絶滅寸前と言われています。
便利で豊な生活を送っている裏側では、その為に犠牲になっている生物がたくさんいるということです。
SDGsの目標15番は、陸の豊かさも守ろう (Life on Land)です。森林破壊によって砂漠化、生物多様性の損失が深刻になっています。このままほっておくと、100年後には森林がなくなると言われています。森林がなくなれば、どの生物も生きてはいけません。誰一人、ただ一種のみで生きて行くことはできないのです。多くの生命はたくさんの生物と関わり繋がり合って生きているのです。
森林や海、多様な生物の命が繋がり合い、滞ることなく循環することで地球の生命は保たれるという自然環境の仕組みは、人間の身体が健康的に保たれる仕組みと同じだなと感じます。
生物多様性(Biodiversity)は、身近な社会に置き換えて考えると、ひとりひとりの個性、意見、生き方を尊重し大切にするべきとして教育界で求められている目標にぴったり重なりますね。
地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」というSDGsの目標の誓いにもあるように、日本にいながら、何が出来るか、ひとりひとりが真剣に考えていかなければならない問題だと思います。ひとりひとりの力が大きな日本の力となって、世界に、地球の為に良い結果をもたらすのでしょう。
SDGsの歯車です。
歯車がどこに付けば、全部が一度に稼働するか、ゲーム式で学べるようになっています。
厳しい生活環境で生きている子ども達の様子が3D絵画になって箱の中に入っています。主に女の子の厳しい現状です。女の子というだけで、差別され、学校にもいけず、自由が奪われ、過酷な生活を強いられます。そのような現状の国がアフリカ、アジア、南米などにたくさんあります。
年長さんの女の子がとても興味を持って見ていました。em factoryの方がいろいろ教えてくださいました。
フード・マイレージについて学びました。フード・マイレージとは、「食料の ( = food) 輸送距離 ( = mileage) 」という意味です。輸入品は、遠ければ遠いほど、輸送にエネルギーがかかり、その分、地球に負荷がかかるということで、出来るだけ、国産の物を消費して、環境負荷を減らそうという取り組みです。
最初は、ランプが長くついたら「やった~!」と喜んでいましたが、フード・マイレージの意味を説明すると、すぐに理解し、ランプがあまりつかない国産を応援するようになりました。
すごい理解力だな~と感心しました。
子ども達はほんとによく考え、学び、身に着けています。
最後にみんなでJICA地球ひろばの入り口で記念撮影しました。
そして、園に戻り、終了の挨拶後、em factoryさんと記念撮影。
とても素晴らしい企画をありがとうございました。
これからも定期的に、環境学生団体em factoryさんとコラボで、SDGsのワークショップと、JICA地球ひろば見学を行う予定です。
次回はもうすぐとのこと!!
楽しみですね。