2022年度、新学期がいよいよスタートし、Frontierkids Global school は3年目に突入しました。
ご入園、ご進級おめでとうございます。
進級してひとつお兄さん、お姉さんになり、ドキドキわくわく嬉しそうな子ども達。
入園したばかりで、初めての保育園に緊張した様子の新入園児さん。
慣れるまでは、初めての環境にちょっぴり不安なこともあるかもしれませんが、お子様たちそれぞれ一人ひとりのペースを大切にしながら、少しずつ無理のないよう園生活に慣れていけるようにしていきたいと思います。
みんなで思いっきり笑ったり、泣いたり、喧嘩をしたり…幼児期の成長発達の為に大切な経験をたくさん積み重ね、すくすく逞しく成長していけるよう、今年度も様々な Activities(活動)を楽しんでいきたいと思います。
さて、Frontierkids Global school では、
SDGs 持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)
に積極的に取り組んでおります。
※ SDGs 持続可能な開発目標とは、
2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17のゴール・169のターゲットから構成され、
地球上の「誰一人取り残さない( Leave no one behind )」を誓っています。
SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものです。
日本も積極的に取り組んでおります。
そして、
昨年2021年度のFrontierkids Global school での取り組み結果を発表致します。
環境学生団体 em-factory さんをお招きして、Workshop を2回行いました。
~ 第1回目は、2021年6月30日 ~
テーマは、SDGs 2 「飢餓をゼロに」”Zero Hunger”
「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」
[End hunger, achieve food security and improved nutrition and promote sustainable agriculture]
<目的>
- 子どもたちに SDGsについて知ってもらい、環境に対する考えの軸をもってもらう。
- 楽しく学びながら、「環境を思いやる気持ち」を育むきっかけとなる思い出作り、さらに学んだこ
とを実行に移せるようにきっかけづくりをする。 - 地球と共生するために、学びを活かして生活できる人になって欲しい。
- 飽食やフードロスという日本の課題を教え、問題意識を芽生えさせる。
- 飽食(ほうしょく)が進む日本に住む子どもたちに、世界では飢餓で苦しんでいる子どもがいることを知ってもらい、食の大切さを学んでもらう。
- 畜産業の環境負荷を伝え、持続可能な地球を考える。
まずは、SDGs ってなにかな?
SDGs とは…
Sustainable Development Goals のりゃく
- せかいをよりよくするための2030ねんまでのもくひょう
- おおきな17このゴールとちいさな169このターゲット
みんなとても真剣にお話しを聞いています。
第1回目のテーマは、SDGs 2 「きがをゼロに」
きがとは、たべものがたべられずに、げんきなからだでいられなくなってしまうこと。
飢餓とは、十分な食べ物を食べられずに栄養不足になり、健康を保たもつことができなくなった状態のことをいいます。
今、世界中では、約8億人の人が飢餓で苦しんでおります。
9人にひとりの割合で、飢餓に苦しむ人がいます。
飢餓は、どうして起こるのでしょうか?
原因は様々ですが、ひとつは、自然災害です。
世界で食料不足に苦しむ人たちの8割以上は、自然災害が発生しやすい場所で生活しています。
地震、津波、洪水、干ばつなどが起きると、農作物や田畑が被害を受け、家も仕事も奪われ、食べ物を手にすることが難しくなります。
また、気候変動で、台風や集中豪雨、森林火災も増えており、農業に大きな打撃を与えています。
そして、「たたかい」紛争も飢餓をもたらす深刻な問題です。
飢餓に苦しむ人たちの半数以上が、紛争地域に暮らしています。
紛争が起きると、家や農地をすべて捨てて避難しないといけません。
そうなると、食料の確保が困難となり、飢餓状態になってしまいます。
世界の飢餓状況を表した世界地図「ハンガーマップ」を見せてくれました。
国ごとの栄養不足人口の割合を色分けして表した地図で、世界の格差が一目で分かります。
飢餓人口が1番多いのは、アフリカです。
その次は、南アジアです。
次は、国旗のクイズです。
この国旗はどこでしょう?
インドですね。
子ども達は、すぐに答えていました。
みんな、国旗にとても興味があり、よく覚えています。
インドは、格差が激しいため、貧困で苦しんでいる人々がたくさんいます。
貧富の差が大きく、富裕層の人々はどんどん裕福になっていくのですが、貧困層の人々は、ますます貧しくなっていきます。
この格差が、貧困や飢餓の原因になっています。
次の国旗の問題の答えは、アフガニスタンです。
アフガニスタンは、政治が不安定な為、常に紛争が起きています。
それに加えて、自然災害の干ばつなどが影響し、
飢餓で苦しんでいる人々がたくさんいます。
次の国旗の問題は、北朝鮮です。
北朝鮮も飢餓人口が増え、深刻な状況です。
その原因として、異常気象で、猛暑やゲリラ豪雨など、気象条件の悪化が原因と言われております。
また、地域によって格差があります。
街に住んでいる人々は、食料に困っておりませんが、田舎、地方に住んでいる人々に飢餓人口が増えています。
次は、
国連WFP協会の瀬上さんが、食料供給の手段についてお話して下さいました。
国連WFP(World Food Programme) の WFP humanitarian airdrops (人道的空中投下)の様子を動画で見ました。
Behind the scenes: WFP humanitarian airdrops
飛行機から食料を届ける空中投下は、最も食料を必要としている人々に地上から届けることが出来ない最後の手段として行います。
地上から援助出来ない理由は、紛争地域の為、地上からトラック等で行くと、命の危険がある場合、または、交通機関やエネルギーなど、ライフラインが整備されていない場所の為、地上から行くことが出来ない場合です。
空中から落下された食料を、人々が分けているところです。
詳しくは、こちらをご覧ください → 人道的空中投下:希望の光
国連WFP協会の瀬上さんの様々な体験談に、みんなとても興味関心を持って聞いていました。
~国連WFPの活動の5つの柱~
せいかつがゆたかなくにでは、
こくもつのはんぶんが、ウシ、ブタ、ニワトリのえさになっています。
地球上で人間が使える水の量は、約2.5%です。
その中の27%の水をうし、ぶた、にわとりの家畜を育てる為に使っています。
飢餓で苦しんでいる地域は、飲める水も足りません。
食料だけではなく、水不足で困っている人々もたくさんいます。
また、貴重な森林を燃やし、家畜を育てる為の広大な土地を作ることで、
異常気象が起き、干ばつも増え、雨が降らないので、飲める水、使える水もさらに減り、
ますます水不足に陥り、飢餓状態となります。
広大な土地が必要なのは、特に、ウシです。
牛肉産業は、主に先進国への輸出用です。
裕福な人々の食の為に、現地の人々、自然環境が犠牲になっているのです。
最近は、Vegan(ヴィーガン) ,Vegetarian (ベジタリアン)の人が増えてきています。
菜食主義の生活にしていくことは、自然環境保護、飢餓を救う為の個人で出来る方法のひとつですね。
まったく肉を食べないということは、難しくても、野菜中心の食卓、または、
最近は、野菜を使った肉風料理のレシピもたくさんあります。
トライしてみるのもよいですね。
食事をするとき、肉や野菜を食べるとき、”意識”があるかないかでだいぶちがうと思うます。
食への価値観も変わってくるでしょう。
地球への思いやり、世界中のひとりひとりへの思いやりの心で、
食べ物を無駄にせず、美味しく、そして、楽しく食事ができるといいですね。
また、飢餓が起きる理由として、
途上国の農業技術が低いという問題もあります。
農業技術が低いと農作物が少ししか取れず、十分な食料が確保できません。
また、森を燃やして新しい農地をつくる「焼き畑農業」を行い過ぎて、貴重な森を失っている地域もあります。
生産力だけを求め、やみくもに畑を広げたり、森の植物を燃やして肥料を作ったりすれば良いというわけではありません。
環境や生態系を守り、そして災害にも強く、長い将来にわたって食料を生産し続けられる方法を行わなければなりません。
そのためには、先進国が持つ知恵やノウハウを途上国に伝え、持続可能な方法で食べ物が安定的に収穫できる農業の方法を生み出すことが必要です。
先進国の協力がとても重要です。
次は、野菜の栽培の方法の絵本を通して、持続可能な食物生産、
そして、食品を無駄にしない、食品ロスのお話しをして下さいました。
野菜の芯を水につけておくと、そこから新しい芽、葉が出てまた食べることが出来ます。
園でも、昨年、レタスの葉を水につけ、そこから根が出て来て、土に植え、新しいレタスの葉が出て来て、収穫して食べました。
また昨年、苺の実のまわりの種を土に植え、そこから苺の芽が出てきて、1年たった今、花が咲いています。
うまくいけば苺がなるかな?
楽しみです。
こちらは、形の悪い野菜たちです。
形がよくないということだけで、”食べられるのに、美味しいのに”、捨てられてしまいます。
「形が悪い」というだけで、鮮度や味、品質的にはまったく問題のない野菜や果物が、なんと年間3億トンも廃棄されているそうです。
スーパーなどに売っている野菜は、みんな同じ形、同じサイズで、整った形のものだけがお店に並び、私たちの食卓に上がります。
容姿だけで、「食べられない野菜」とされて、捨てられてしまうのです。
味は、全く同じ、料理してしまえば、最初の形は何も問題ないですね。
フランス最大の食料品チェーン「Intermarche」が、形が悪いというだけで、廃棄処分になった野菜を集めて、通常価格の30%引きで販売するというプロジェクトを行いました。
最初は、お客様も不安で購入しませんでしたが、これらの野菜や果物を使って、ジュースやスープを作って、試食、試飲をしてもらい、品質や味には全く問題ないことをアピールしました。
すると、2日間で、売り切れ!
しかも、来客数もアップしたそうです。
「食糧の無駄をなくそう」という姿勢に多くの人が共感し、スーパーに訪れ、購入し、結果、売上、集客共に増加するという素晴らしい結果が得られました。
このように、見た目だけで決めつけず、形が他と違っても、”形が悪い”と差別されてしまう野菜たちも捨てずに選んであげましょう。
とっても美味しいですよ♡
<引用:『形が悪い野菜』廃棄する野菜2000トンを完売したアイデアに脱帽>
世界中では、飢餓で苦しんでいる人々がたくさんいる中、日本では、食品ロス(フードロス)が問題になっています。
食品ロス(フードロス)とは、本来食べられるはずだったのに廃棄されてしまう食品のことです。
売れ残ったお弁当や飲食店で客が食べ残した料理、家庭で賞味期限が切れた食材などがたくさん捨てられています。
それが食品ロスです。
日本では、食品ロスの削減が大きな課題となっています。
私たちは食べ物を通じて世界と繋がっています。
そして、それらは、世界中の農家や農園で働く人が、心を込こめて作ったものです。
作る苦労や努力を考えてみれば、食べ物を無駄には出来ません。
私たちが豊かになるために、他の国の自然環境や健康状態を犠牲にしてはいけませんね。
食品ロスを削減する為に出来ることは、何かな?
考えてみましょう。
毎日のランチやおやつの時に、常に伝えていることは…
1.世界中には、食べるものがなく飢餓で苦しんでいる人がたくさんいること。
2.食べ物にはすべて命がありました。その命を頂いて生きていること。
3.命を頂くこと、そして、食材を作ってくれた人や美味しくお料理してくれた人への感謝の気持ち。
1,2,3を考えると、食べ物を無駄には出来ませんね。
食べ残さないようにしたいですね。
飢餓を救う為に「ぼくたち、わたしたちができること」
食べ物をゴミにしない。
捨てない。
もったいないことをしない。
また、毎日食べているものがどこで、誰がどのように作っているのか、考えることも大切ですね。
em factory さんによるセミナー
SDGs 2 「飢餓をゼロに」
たくさんの学びがありました。
子どもたちなりに、持続可能な地球を考えることができたと思います。
em factoryさん、そして、国連WFP協会の瀬上さん、
とても有意義な時間をどうもありがとうございました。
楽しく勉強することが出来ました。
次の日の午後、
WFP humanitarian airdrops (人道的空中投下)の食料供給の動画を見て復習しました。
とても真剣に見ていました。
em factory さん のSDGs ワークショップは、いつもとても楽しみにしております。
2021年度は、1回目は、6月30日でした。
2回目は、2022年3月29日でした。
2回目のテーマは、
SDGs 12 「つくる責任つかう責任」です。
自分達の買う・使うという行為によって、世界と繋がっていることを実感し、
普段の日常生活からエコを意識した行動ができるように、
様々な企業の取り組みを知ろうという目的です。
こちらは、次回、
②SDGsの取り組み2021~SDGs 12 「つくる責任つかう責任」
でお伝えいたします。