Ⅳ. アゲハチョウの幼虫観察~Dreams come true ! – the first half からの続きです。
9月27日に羽化して、蝶になる夢が叶った第1号のアゲハチョウは、次の日の28日に、
大空へ羽ばたきました。
さて、残る2匹の蛹の子は・・・
こちらも無事に、蝶になることが出来ました!!
が、
しかし・・・
自然は、容赦なく厳しいことを実感させられました‥‥
レスキューされた子は、10月3日に無事に羽化することが出来ました。
ちょうど土曜日クラスの開催中だったようです。
気が付いたら、蝶が飛んでいたそうです。
この2番目の子は、最初、絵画制作用の棚のローラー部分で蛹になってしまい、レスキューして、壁にお引越ししてあげた子です。
羽化前日まで、特に変わった様子はありませんでした。
そして・・・
10月3日(土)
生まれました!!
おそらく、オスではないかと思います。
羽の色が黒が目立ち、お腹とお尻の部分が細いです。
下記の子が1週間前に羽化した最初のアゲハチョウです。
分かりにくいのですが、オスは、黒が目立つそうで、メスは赤いドットが目立つらしいです。
また、内側の羽の色が黄色っぽく、お尻とお腹が丸みがある方がメスで、
オスは、内側の羽の色が白っぽく、お尻とお腹が細くて尖っているそうです。
もう1匹の柚子の木の子は・・・
10月2日(金)
特に変化はありません。
10月3日(土)
2番目の子が羽化した日です。
柚子の木の子は特に変化なしです。
10月4日(日)
12時頃です。
14時頃です。だんだん中が透けてきました。
羽の模様がうっすら見えます。
羽化のタイミングは、明け方が多く、太陽が出て明るくなってから約1時間後だそうです。
夏は日の出が早いので、6時くらいが多いですが、(地域やその日の天候にもよる)
今の時期は日の出が遅いので、羽化も少し遅いかなと予測し、しかも、部屋の中なので、電気がついて、おそらく8時過ぎくらいかな?
8時半までには、羽化するだろう思いました。
10月5日(月)
8時過ぎの様子です。
今にも出てきそうです。
そして、ついに、8時10分過ぎ、羽化が始まりました。
実は、羽化の瞬間をビデオに撮るつもりでカメラを構えていたのですが、なんと、カメラが回っておらず、録画されていませんでした。
羽化の様子をまだ登園していない子ども達に見せてあげようといろいろ準備してきたのに、最後の最後、本番で、大失敗をしてしまいました。
残念・・・・・(泣)
しかし、朝8時までに登園していたお友達はこの神秘的な瞬間を生で見ることが出来ました。
「すご~い!!出てきた!出てきた!動いてる~!すご~い!!」を繰り返し、感動していました。
ほんとにすごく感動的な瞬間でした。
羽化の時間は、1分くらいで、あっという間です。
自然はほんとに美しいです。
神秘的で美しい地球の自然が永遠にずっとずっと続いて欲しいです。
8:16 羽化後のナミアゲハ。
羽化の終了は、8:13でした。
8:26 羽が綺麗に広がりました。
8:36 おしっこしました。
蛹の期間に、身体が変化する時に出た不要物を尿として排出します。
「おしっこした~!!」と言って大笑いしていました。
お腹とお尻が丸みを帯びているので、メスかもしれませんね。
9:10 羽化から約1時間経ちました。
子ども達は次々に登園し、アゲハチョウの誕生にみんな大喜び!
大興奮です。
少し怖いようで、恐る恐る近づいて見ていますが、興味津々です。
みんな研究熱心です。
3番目に誕生した蝶は、小型でした。
午後おやつ前になりました。
時刻は、14:56
近づくと飛び回り、レースのカーテンにつかまって、外に行きたそうにしています。
そろそろ外に逃がしてあげようと、捕まえようとしますが、なかなか捕まりません。
そっと手に乗せようと頑張っています。
子ども達はみんなとても優しいです。
慎重に、労りながら、蝶に手を近づけて、蝶が自然と手に乗ってくれるのを待っています。
そして、手に乗りました!
可愛いですね♡
そして、15時半過ぎ。
アゲハチョウを外に逃がしてあげました。
すぐには飛び立たず、しばらく園舎の壁に止まっていました。
そして、気が付くといつのまにかにいなくなっていました。
大空をのびのびと飛び回って、自然を満喫してくれているといいなと思います。
今年の「アゲハチョウの幼虫観察」はこれにて終了です。
まだ、柚子の木には、1齢幼虫と5齢幼虫がいますが、柚子の木はもう外に出し、完全に自然な状態に戻しました。
1齢幼虫は、卵から観察しました。
9月25日頃に産みつけられた卵のついたみかんの葉を家から持ってきました。
一生懸命観察しています。
この葉っぱを柚子の木にテープでくっつけました。
約1週間後の10月3日、卵の色が変わってきて、黒い斑らが見え始めました。
これは、もうすぐ孵化するサインです。
10月3日の卵の様子。
10月4日の卵の様子。
卵が割れていて、かけらが残っている感じです。
幼虫は、孵化すると卵を食べます。
葉っぱをめくってみると、いました。小さな生まれたばかりの1齢幼虫。
汚れや埃のように小さいです。
10月5日 (月)
1齢幼虫(1日前に孵化)
5齢幼虫(1日前に5齢幼虫に変身)
もし、このまま部屋に置いて飼育すれば蛹になれるかもしれませんが、
しかし、まだ外の季節は暖かいと勘違いして、羽化してしまいます。
蝶は、気温が低いと生きて行けません。また、蝶になったら外に逃がしてあげないと子孫を残すという大切な使命を達成させてあげられません。
10月末の羽化は残酷な結果になってしまう恐れがあります。
まだ11月初めくらいまでは暖かい日があるので、蝶の寿命は2週間くらいですから、蝶としては生きて行けるかもしれませんが、子孫を残すことは難しいでしょう。
蝶の成虫が交尾をして、卵を産んで、孵化し、幼虫になり、蛹になるまでの過程は、1~2か月くらいです。
10月初旬の羽化で蝶になるのがギリギリセーフというところでしょう。
この柚子の木の幼虫たちは、蛹になれば、冬眠できるので、越冬して、来年の春に羽化することが出来ればいいなと思います。
来年の春が楽しみですね。
来年こそは、今年の失敗を糧にして、羽化の瞬間を映像に収めたいと思います。
Dreams come true ! 蝶になって旅立つ夢が叶いました。2020年10月5日 @Frontierkids Global School
↑上記は、羽化後から旅立ちまでを4分半ほどの動画にまとめYouTubeにアップしました。
限定公開にしております。
よかったらご覧下さい。
実は…
レスキューして無事に2番目に羽化することができたナミアゲハのことですが…
10月5日(月)のお昼前、雨が止んだ後、外に逃がしてあげました。
みんなで、「ばいばーい!元気でね~!」とお別れの言葉を大きな声で叫んだあと、
アゲハチョウは、外に飛び立ち、空へ舞い上がって行ったとたん、
カラスがヒューと勢いよく飛んできて、
パクっと食べられてしまいました。
子ども達の中には、気づかない子もいましたが、
何人かのお友達はその様子を見ていて、一瞬沈黙となり、
「カラスが食べちゃったよ」とびっくりした様子で教えてくれました。
「カラスがヒューっと飛んできた。そのあと、食べちゃったよ。」
子ども達は、素直です。
見たままの出来事を話していました。
私は、言葉が見つからず何も言えませんでした。
でも、これも自然界の厳しさですね。
せっかくここまで頑張って壁を乗り越えて生きて来て、
やっと蝶になって大自然を飛び回れると思った瞬間…
残念ながら、命は尽きてしまいました。
カラスが生きて行くための犠牲になったのです。
「生き物は、皆、他の生き物の命を頂いて生きている」
人間も、生きて行くためには自然のあらゆる命を犠牲にしないと生きて行けません。
生きたい命を奪わずには生きて行けないということは絶対に忘れてはならないことですね。
そのおかげで生きていられるということ、命に感謝しなければなりません。
きっと、この瞬間、子ども達は何かを感じ取ってくれたと信じています。
レスキューしてあげた蝶は、最後にとても大切なことを教えてくれました。
命の大切さを実感できたことでしょう。
最近は、昼食の時、
「この野菜も、お肉も、お魚も、皆、生きていたんだよ。だけど、みんなの身体を強く逞しく元気に大きくしてあげようと思って、食べ物になっちゃったんだね。もっともっと生きていたかったよね、きっと。でも、美味しくお料理してもらえたから、食べてみようね。」
とお話しすると、
「これ食べると強くなれるんだよね」と言って、今まで苦手と言って、残しがちな子が全部、完食するようになりました。
「あおむしも葉っぱをいっぱい食べたから、蛹になって蝶になれたよね。」
とお話しすると、野菜ももりもり食べるようになりました。
はらぺこあおむしたちは、子ども達にたくさんの大切なことを教えてくれました。
私も、知らないことだらけで、子ども達と一緒に観察しながら、質問されたことや疑問に思ったことを調べ、学ぶことができ、とても楽しかったです。
きっと子ども達も学ぶ楽しさを知ってくれたことでしょう。
来年は、もっと早くから計画的に行っていきたいと思っています。
春が楽しみですね♡
次回の「アゲハチョウの幼虫観察」は来年の春です。
お楽しみに!
おまけ☆彡
2番目のレスキューした蝶の羽化後の蛹です。
壁から取り外し、自由に近くで観察できるように、机の上に置いておきました。
お昼過ぎに様子を見てみると、思った通り、ボロボロに潰れていました。
みんな、触って確かめてみたんでしょう。
どうだった?と聞くと、
「なにも入ってなかった」
と言ってました。
大人は、”当然でしょ” と思うかもしれませんが、子どもにとっては、発見のひとつですね。
小さな発見も大きな発見も、たくさん経験して、好奇心、探求心、研究心、チャレンジ精神を持って、
観察力、洞察力、などいろいろな生きる力を蓄えて、逞しく成長していって欲しいと願っています。
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